出会い

お坊さんの彼と出会ったときのことを書きます。
結婚前は「彼氏がお坊さんだ」と人に話すと
「お坊さんとどこで知り合うの?」とよく不思議な顔をされました。

私たちの場合はギター教室でした。
「えっ、お坊さんがギターやるの!?」と言ってくる人もいました。
確かに、私の彼は一見するとお坊さんに見えません。
当時の彼はツイストパーマのロングヘアで、かなりスリム体型なうえに、
ピッチピチのズボンを履いていて(何かのミュージシャンに憧れて??)
かなり今風の兄ちゃんでした。

当時わたしは社会人1年目で、彼は大学生4年生。
お互い趣味でギター教室に通っていました。

個人レッスンなので、顔を合わす機会といえば
年に1度の発表会と、たまたまレッスンの入れ替えですれ違う程度。
ところが、教室の引っ越し手伝いにお互い駆り出され、急接近することになったのです。

それから何度か食事やデートを重ね、
お付き合いするかどうかの判断を下すとき、私は相当悩みました。
遠く離れた親友にも突然の電話で相談をしました。

「あぁ…どうしようクリスチャンなのに、親が知ったらなんて言うだろう」
「やっぱり、お付き合いしたらお坊さんだし困ることがいっぱいあるんじゃないか」

ぐるぐる考えました。

考えあぐねて出した結果は
「悩んでも仕方がない。やってみないと分からない」でした。

ゆくゆく親に話して、もしガッカリされたら…
その時は逆に私がガッカリしてやろう!
そんな決意もできていました。

幼い頃からずっと日曜日は教会に行っていたし
寝る前は家族揃ってお祈りをする家庭に育ちました。
だからもし「何かが違う」と思ったら
言葉にしなくとも、身体と感覚が先に反応する自信がありました。

そんなわけで、イチかバチかのお坊さんとの交際がスタートしました。

滋賀県出身。キリスト教(カトリック)を熱く信仰する家庭で育つ。6人兄弟の長女でクリスチャンネームはマリア。 2014年春、お坊さんと恋愛結婚しお寺に嫁ぐことに。現在名古屋市にある真宗大谷派・開闡寺(かいせんじ)の若坊守として日々奮闘中。京都の老舗木版画店「竹笹堂」の元店長。