飛竜頭3種のみぞれあんかけ

 今回作る飛竜頭(ひりゅうず)は 「 ガンモ 」 とも 「 ひろうす 」 とも呼ばれます。 普段食べたいなと思った時は、出来合いのものを買ってくることが多いと思いますが、自分で一から作ってみると、食べる人も手作りの暖かさを感じることでしょう。 さほど難しくないので、是非一度やってみてください。
【レシピ】 <2人分>

○基本タネ
・もめん豆腐・・・300g (1丁)
・山芋・・・30g

・胡麻油・・・小さじ1
・薄口醤油・・・大さじ1
・片栗粉・・・適量

甘辛だし・・・「 精進だし・・・150ml、 濃口醤油・・・大さじ2、 みりん・・・大さじ3、 塩・・・少々 」
・きくらげ・・・2枚
・人参・・・中1/3本
○飛竜頭の具
<梅味>
・大葉・・・2枚
・梅干し・・・中2個

<味噌味>
・白味噌・・・20g
・白胡麻・・・大さじ1
○みぞれあんかけ
八方だし・・・「 精進だし・・・100ml、 薄口醤油・・・大さじ1・2/3、 煮きりみりん・・・大さじ1、塩・・・少々 」
・大根・・・1/5本
・柚子皮のすり下ろし・・・少々
精進だし ・・・「 水・・・1リットル 、乾燥椎茸・・・2枚、だし昆布・・・20cm1枚 」

【 作り方 】  出来上がりTIME 40分 (もめん豆腐の水抜き時間は含まない)
(1) もめん豆腐に重しをして2時間ほど置き、水分を十分に抜いておく。

(2) 人参、キクラゲ、大根の皮、だしを取った椎茸などを3cm角程度みじん切りにし、甘辛だしで7、8分煮た後、ザルに上げておく。

(3) ボウルに、(1)と(2)、すった山芋30gを入れ、混ぜる。 塩少々、薄口醤油大さじ1、片栗粉小さじ1、胡麻油小さじ1を入れて混ぜ合わせ、飛竜頭のベースを作る。これを3等分し、1つ目はそのまま、2つ目は千切りにした大葉と叩いた梅肉を混ぜ、3つ目は白味噌と煎った白胡麻を混ぜて3種のタネを作る。

(4) 手の平にサラダ油を塗り、(3) を一口大に整形し、150度の油でじっくり揚げていく。 きつね色になったら取り出し、熱湯をかけて表面の油を取っておく。

(5) 八方だしに残った梅干の種を入れてひと煮立ちさせる。その中に水気をきった大根おろしを入れ、片栗粉で強めにとろみをつけ、最後に柚子の皮を風味付けに少量すり、みぞれあんかけを作る。

(6) 3種の飛竜頭を一つの器に入れ、上からみぞれあんかけをかける。 最後に大根の葉を塩茹でしたもの(あれば木の芽か三つ葉)を乗せて彩りも美しく完成!!

作り方のポイント

・ 八方だしに、残った梅干しの種を入れると、程よい酸味がプラスされます。 油を使用する料理には、酸味でさっぱりさせるのも良いでしょう。
・ 山芋を入れすぎると、タネが柔らかくなりすぎて、揚げている途中で崩れやすくなります。

ひとこと
・ 精進料理は、油をうまく使えるようになると、味の幅が広がります。
・ 大根は青みがかった部分が甘く、先端部分にいくほど辛みが強まります。 みぞれにする時は、青みがかった部分を使うと良いでしょう。 因みに私は、大根おろしは青い部分を、火を通す時は白い部分を使っています。 これは好みの問題なので、自分で色々試してみてください。

禅僧の知恵袋

【 甘辛だし 】
野菜を煮る時は、ダシに色んな味をつけて煮ます。 最初にダシを作ってそこに野菜を投入するのは、少し横着なやり方です。 薄味で品のある煮物を作るには、野菜から出る甘味や旨みを確かめた上で煮ながら味付けをしていきます。 私の経験では、野菜にしっかりと味を付けたい場合、これはあまり関係ありません。
この甘辛だしの味は、「おばあちゃんのぽたぽた焼き」の醤油味をイメージしてください。
とりあえずここでは、200ml 程度の分量を作るための目安を記しておきます。
「精進だし・・・150ml、 濃口醤油・・・大さじ2、 みりん・・・大さじ3、 塩・・・小さじ1」 を、ひと煮立ちさせます。
焼き豆腐やジャガイモなどの淡白な野菜に味を付けるときや、飛竜頭の具など、様々なところで利用できます。

【 八方だし 】
四方八方で使えるところから、「 八方だし 」 と呼ばれる万能なダシです。
とりあえずここでは、200ml 程度の分量を作るための目安を記しておきます。
「 精進だし・・・150ml、 薄口醤油・・・大さじ1・1/2、 みりん・・・大さじ1・1/2、酒・・・小さじ1 」 を、ひと煮立ちさせます。
生湯葉の刺身にかけたり、網焼きした椎茸の上に大根おろしをのせて、そこにかけたりなど、何にでも使えます。 煮る用のダシというよりは、和え物やあんかけなどに使う方が私好みです。

吉村 昇洋

1977年3月生まれ。広島市街にある曹洞宗八屋山普門寺副住職。 相愛大学非常勤講師。 駒澤大学大学院にて仏教学修士を取得後、仏教を学問する世界から飛び出して実践の場を求め、曹洞宗大本山永平寺にて2年2ヶ月間の修行生活を送る。その後、広島国際大学大学院にて臨床心理修士を取得し、現在臨床心理士としても活動している。 彼岸寺では、2005年より【禅僧の台所 〜オトナの精進料理〜】を展開する。 現在、精進料理のみならず、禅仏教や臨床心理学、仏教マンガに関しても積極的に執筆や講演の活動を行っている。