浄土真宗の十派の有志メンバーが主催する「真宗合同布教大会」が、オンラインで開催されることになりました!
「真宗合同布教大会」とは?
「真宗合同での布教大会って、できないでしょうか?」
すべては、Facebookに書き込まれた何気ない投稿をきっかけに始まりました。そのつぶやきに賛同した人々が、SNSに集まり企画準備をし、2012年6月、西本願寺聞法会館(本願寺派)で「若手有志による真宗合同布教大会」が開催されました。
「浄土真宗」あるいは「真宗」と呼ばれる親鸞聖人の流れを汲む宗派は、東西本願寺(大谷派と本願寺派)はよく知られています。しかしその他にも京都・滋賀・三重・福井に8つの本山があり、まとめて「真宗十派(しんしゅうじゅっぱ)※」と呼ばれています。
「真宗十派」は、親鸞聖人の流れを汲むグループで、教えに共通する部分も多く、これまでそれぞれの宗派同士が全く関わりがなかったわけではありません。しかし、宗派の垣根を超えて、有志のメンバーだけで行事を行うということは、それまでほとんど行われていませんでした。また法話を聞く場に、宗派を超えた参加者が一同に集まるということも珍しく、「若手有志による真宗合同布教大会」は非常に画期的な行事となりました。
宗派もスタイルも、空間も超える法話の可能性
そうした特別な大会でしたから、一回限りになると思っていましたが、スタッフや出講者のみならず、お聴聞された方々からも「ぜひ次回も」という後押しをいただき、2013年2月に真宗大谷派大谷婦人会館(大谷派)、同年6月、本山佛光寺門信徒会館(佛光寺派)、2014年2月、本山興正寺興正会館(興正派)でと、京都の本山施設をめぐりました。
その後、2014年6月は福井県・本山毫摂寺御影堂(出雲路派)、2015年1月、三重県本山専修寺(高田派)と各地の本山を周り、2015年6月からは一年ごとに、本願寺広島別院、本願寺鹿児島別院(2016年)、真宗大谷派岡崎別院(2017年)、真宗大谷派富山別院(2018年)と第10回まで開催をし、全国各地で多くのみなさまとお聴聞を重ねることができました。
出講者のほとんどはSNSによる募集に応じた方々で、僧侶だけでなく、ご門徒の方にも登壇していただきました。布教スタイルも、講演形式や節談説教だけでなく、音楽や人形劇によるものなどバラエティー豊かです。
当初は「法話スタイルや宗派の方向性の違いから、みんなバラバラで、取り返しがつかなくなるのでは」と心配していましたが、やはり同じ「南無阿弥陀仏」をいただく者同士、お念仏が響けばそこは仏法の真っ只中。それぞれ法話も一つにまとまっていきました。もちろんそれは一か所に集うという「場所の力」も大きかったと思います。それだけでなく、第1回大会からすべてライブ配信も行ったのですが、ネットを通して一緒にお聴聞された方々とも一つになれるという実感もありました。「場所の力」によらずとも、仏法はネット空間すら超えるものなのかもしれません。
コロナ禍だからこそオンラインで!
ところが、回を重ねるごとに地方での開催が続くようになり、スタッフ一同が現地に集まることが難しくなってきました。そこで、第10回を区切りに大会の運営方法を見直すこととなったのです。そんな最中、新型コロナウイルス感染症の拡大により、従来までの「一か所に集まっての聞法」が難しくなる事態となってしまいました。
「真宗合同」とは、宗派の垣根を超えるのはもちろんのこと、僧侶と門徒という関係性を超えることでもあります。ならば今度は物理的、地理的な制約も超えていけるのではないか。そこで、広島(西福寺・本願寺派)、滋賀(玄照寺・大谷派)、新潟(浄照寺・大谷派)の3か寺をサテライトスタジオとしてYouTubeでつなぎ、ライブ配信によって布教大会をしようと考えたのが、今回のオンラインでの布教大会です。
今回は告知期間が短かったため、登壇者の公募はできませんでしたが、各会場からの推薦で30~40代の本願寺派3名、大谷派3名の僧侶が登壇されます。法話の経験がほとんどない方から、中堅、ベテランと魅力ある登壇者が集いました。これまでの合同布教大会のエッセンスを感じていただけることと思います。
今後は配信元も増やし、出講者の公募も再開したいと思っています。
ぜひ、場所を超えて、時間を超えてご一緒にお聴聞いたしましょう。
■第11回真宗合同布教大会
2021(令和3)年2月6日(土)14:00~17:30
YouTubeチャンネル『浄土真宗の法話配信』にて-広島・滋賀・新潟よりライブ配信-
※「真宗十派」についてはこちら
https://www.shin.gr.jp/shinran/10/