はじめまして。突然の投稿失礼致します。「株式会社まなか」の鈴木と申します。コロナ禍で人と人との距離が離れている今だからこそ、人が人を思う形の一つである供養という文化について、どうしてもお伝えしたい事があり投稿させて頂きました。
弊社は一都三県(埼玉、千葉、神奈川)で墓石、葬儀、仏壇・仏具の3つの事業をしている総合エンディングメーカーです。「偲ぶことの真ん中と向き合う」という企業理念のもと、時代の変化とともに失われつつある人が人を偲ぶご供養という素晴らしい文化を次世代へと繋いでいくために活動しています。
今、ご供養ごとで困っている人が増えている。
なぜかと言いますと、私たちはこの仕事を通して、故人を思う気持ちは昔も今も変わっていないのに、ご供養の仕方がわからなくなってしまっている人がすごく増えていると感じているからです。このような人たちが増えてしまうと、ご供養の文化は廃れてしまうと思い、何とかしたいと日々取り組んでいます。
供養に悩む方が増えてきた要因はいくつか考えられます。その一つは、人の生活が流動的となり、「家を継ぐ」という意識が薄らいだため、これまで供養をお願いしていたお寺との関係(寺檀関係)も希薄になり、ご供養事の相談先が無くなってしまったことが考えられます。
もう一つは、お寺側、僧侶側の問題です。檀家制度に胡坐をかき、檀家の方々が落胆するような僧侶の振る舞いが見られることで、お寺を頼らなくなるきっかけを生み出したと考えられます。もちろん、「僧侶」の中には、この状況を変えていこうと日々奮闘する、志の高い方もいらっしゃいます。しかしながら、その数はまだまだ多くはありません。
このような理由から、供養について導いてくれる存在を失った人たちは、身近な人や自分自身の死を目の前にして、どうしてよいかわからなくなってしまったのです。
「まなか」がやりたいこと
このような状況から、私たちが出した答えは、供養で悩み導いてほしいと考えている方と、お寺への信頼を取り戻したいと考えている「僧侶」を結びつけることでした。両者が繋がれば、ご供養に悩む方は減りますし、「僧侶」にとっては新しい人たちと縁を結ぶことになります。檀家制度に代わる経営基盤を作ることにも繋がります。ひいては、私たちが目指す、ご供養の文化を繋げることができると確信しております。
では、実際にどうすれば、両者を繋ぐことができるのでしょうか?
もちろん方法は1つではないと思います。SNSのようなメディアを使うことから、お寺をイベント会場のようにする手法まで、人々と繋がるために、全国のお寺が試行錯誤していらっしゃいます。
しかし、SNSではお寺という空間を感じてもらうことはできないですし、コロナ後の社会変化を想定すると、物理的に人が集まる場所を創ることも難しくなるかもしれません。
数ある手法の中で、私たちは「収骨施設」を通して、両者を繋げることを選びました。その理由は、私たちがお寺の価値の一つを、ご供養の場であると考えているからです。
供養で悩んでいる方がお寺に求めるものは、大切な故人を守ってくれることです。そのお寺を守る「僧侶」に求めるものは、大切な故人のご供養です。大切な故人には、苦しい状況だからこそ会いに行きたくなります。「僧侶」と話をしてみたくなります。「収骨施設」は、そんな人々とお寺を繋げる架け橋になると考えています。
東京都日野市 普門寺様での実例
実際に、人々とお寺を繋げた、弊社の取組みを紹介させていただきます。場所は、東京都日野市の「土淵山 普門寺」です。本堂の火事から復興のサポートをすることになりました。
「日野の観光地になるような新しい普門寺をつくる」というコンセプトのもと、市の施設が集まる街の中心地に位置する立地と、重要文化財の観音堂が境内にあったことから、「気軽に人が立ち寄れる、開かれたお寺」を目指しました。そのシンボルとして、地域の人々と新しく繋がる「収骨施設」の建立に着手することになったのです。
施設の完成には、様々なハードルがあり、一筋縄ではいきませんでした。一時は諦めかけるほどでした。しかし、ご住職や檀家の皆様からの「お寺の復興のために、頑張って欲しい」という声に支えられ、樹木葬と預骨堂を備えた「普門寺 日野宿 みちの墓苑」が完成させることができました。
開園9か月余りですが、この「収骨施設」を通して、地域のご供養に悩む方とご住職が繋がり、寺院復興の原動力になっています。
この繋がりは、お寺だけにとどまらず、地域の人々が集まる月に一度の縁日に、施設利用者が参加するようにもなりました。まさしく普門寺は、地域のコミュニティの中心になりつつあるのです。
今回ご紹介させて頂いた、私たちと普門寺ご住職の取組みは、多くのメディアに取り上げられるような派手なものではありません。しかし、ご供養で繋がっていくという光景を目の当たりにすると、この取り組みは着実に広がっていくと実感しています。
最後まで、読んでいただいた読者様に、少しでも参考になったのであれば幸いです。
ご拝読有難うございました。
●株式会社 まなか
http://manaka-ltd.jp/