【2/25】 秋田光軌×釈大智×霍野廣由で語る「お寺のソーシャルデザイン vol.001」京都で開催!

2019年2月25日(月)に、京都にて「お寺のソーシャルデザイン」をテーマにしたトークイベントが開催されます。

主催は、霍野廣由(つるのこうゆう)さん。NPO法人京 都自死・自殺相談センターの副代表であり、エネルギー事業を通して社会貢献するお寺をサポートするTERA Energy株式会社の立ち上げにも関わる、まさに「ソーシャルデザイン」を地で行くお坊さんです。

今回の企画には、私も少なからず関わっています。まずは、みなさんの心のなかに浮かんでいるであろう「ソーシャルデザインて何?」「お寺とはどう関係あるの?」という疑問にお答えしてから、イベントの紹介をしたいと思います!(どっちも知ってる!という方は、ちょっと飛ばして読んでください)

お寺とソーシャルデザイン?

ソーシャルデザインとは、「社会的な課題の解決と同時に新たな価値を創出する画期的なしくみをつくること※」。ちょっと歴史を振り返ってみると、これまでお寺は「地域の課題を解決するとともに、新しい価値をつくる」しくみをたくさん生み出してきました。
※『ソーシャルデザイン』(グリーンズ/朝日出版社 2012)より

たとえば、江戸時代の寺子屋。地域の子どもたちに読み書きを教えたいという課題を解決するとともに、育ち合い学び合いの場を生み出しました。最近の例でいうなら、昨年グッドデザイン大賞に輝いた「おてらおやつクラブ」もソーシャルデザインの良例。お寺のおそなえものをおさがりとしていただき、支援団体を通してシングルマザー家庭におすそわけをすることで、子どもの貧困という課題解決の糸口をつくり、お寺とお坊さんを通した「仏助」のひとつのあり方を伝え続けています。

わたしは、「彼岸寺」などの仏教系メディアでお寺やお坊さんについて書くと同時に、ソーシャルデザイン事例を伝えてきたWebマガジン「greenz.jp」のライターとしても活動するなかで、ずーっと「お寺とソーシャルデザインの両方をいっぺんに書きたい」という気持ちを持っていました。

そしてついに、この春から歴史ある仏教総合誌『月刊大法輪』にて、「お寺とソーシャルデザイン」をテーマにした連載をさせていただくことに。事前リサーチのため、いろんなお坊さんに相談しているなかで、もしかしたらわたし以上に「お寺とソーシャルデザイン」について考えていたお坊さんに出会いました。

その人こそ、今回のイベント主催者・霍野廣由さんです。

「ソーシャルデザイン」という言葉でお寺の役割を可視化する

「お寺とソーシャルデザイン」という言葉の組み合わせに、興奮した霍野さんはものすごく長いメッセージを返信してくれました。その一部をここに引用したいと思います。

お寺が提供しているものは、そもそも、ソーシャルデザインだったのではないかと思うのです。葬送をはじめ、お寺が法事を担ってきたこともまた、結果として「死者を弔うことによって遺族の悲しみ苦しみを緩和させる」ことにつながっています。個々人の苦悩を緩和させ、なおかつ、寺院の持続性を高めることになる仕組みは、まさにソーシャルデザインだったとは言えないでしょうか。

江戸時代の寺子屋はじめ、寺院の活動の多くが「社会的な意義が大きいからやる」と思ってはじめたわけではなかったんじゃないかと思います。ただ、目の前に困っている人がいたり、「もっとこういうことしたら良いのに」という個人の思いから始まったことが多かったんじゃないか。現代のソーシャルデザイン事例の多くがそうであるように。

いやー、私が考えていたことと同じようなことを書いているよ、このお坊さんは!というわけで、なんだかんだと話しているうちに「ソーシャルな活動をする人たち、ソーシャルな取り組みをするお坊さんのトークイベントを開いて、参加してくれた人たちと一緒にこのテーマについて考えたいね!」みたいな流れになり。

気がついたら手際のいい霍野さんがイベントを準備して立ち上げてくれていた、というわけです。

第一回のゲストは「ソーシャルな取り組みをする若いお坊さん3人」

まず、第一回目は霍野さんもゲストとして登壇。大阪・應典院主幹の秋田光軌さん、そして池田・如来寺の副住職であり、認知症高齢者のためのグループホーム「むつみ庵」や、現代版の寺子屋空間「練心庵」の運営に携わる釈大智さん(釈徹宗先生の息子さんです!)。

当日は、みなさんの活動の紹介はもちろんのこと、「ソーシャルという視点でお寺を見ると、どんな可能性が見えてくるか?」を「お寺のソーシャルデザイン」の現場にいる当事者として議論していただく予定です。

後半には、「お寺を開きたい」「お寺のソーシャルなんたら、って何やねん?」というお坊さん、そして「お寺と一緒に、お寺で何かしたいことがある」という人たちが交流できる時間も用意します。ぜひ、お寺のソーシャルな側面が持つ大きな可能性について、いろんなお話をしましょう!

そうそう、会場はなんと法衣屋さんのイベントスペース。お坊さんはともかく、一般の人にはなじみのない、なかなか入ることのできない法衣屋さんにイベントスペース !? というあたりも、当日お話ししたいと思います。もしかすると、お坊さんのトークイベントを法衣屋さんで開くことも、ソーシャルデザインを生むことになるかも?

わたしはモデレーターを務めさせていただきます。月曜日の夜ではありますが、ぜひお運びください。みなさんにお会いできることを心から楽しみにしています。よろしくお願いいたします。

お申込みはこちらから!
https://oteranosocialdesign001.peatix.com/

開催概要

【日時】
2019年2月25日(月)
19:00-21:00頃(18:30開場)

【会場】
直七法衣店
京都市下京区福本町425(京都駅から徒歩約5分)
https://naoshichi-kyoto.jp/

【参加費】
1,500円(飲み物・食べ物持ち込み可)
※遅い時間帯ですし、お腹空いたら我慢せずに食べてください。また、喉が乾いたら我慢せずに飲んでください。アルコールもOKです。

【定員】
20名程度

【ゲスト】
秋田光軌(Akita Mitsuki)
浄土宗大蓮寺(大阪市)副住職。“葬式をしない寺”で有名な應典院(おうてんいん)の主幹をつとめる。〈気づき 、学び、遊び〉をコンセプトに、地域ネットワーク型寺院としての活動をおこなっている。
https://www.outenin.com/

釈大智(Shaku Daichi)
浄土真宗本願寺派如来寺(池田市)副住職。認知症高齢者のためのグループホーム「むつみ庵」や、現代版の寺子屋とも言える「練心庵」の運営を担う
https://renshinan-sone.jimdo.com/

霍野廣由(Tsuruno Koyu)
浄土真宗本願寺派覚円寺(福岡県)副住職。NPO法人京都自死・自殺相談センターの副代表。また、エネルギー事業を通して社会貢献するお寺をサポートするTERA Energy株式会社の立ち上げに関わる
http://www.kyoto-jsc.jp/

【モデレーター】
杉本恭子(Sugimoto Kyoko)

学生時代は非日常空間で紡がれる関係性に興味を持ち、コ ミュニケーション論を専攻。現在は、書籍・雑誌の編集 からウェブメディア制作まで幅広く携わる。現在はフリーライターとして、インタビューを中心とした取材・執筆活動を行う
https://higan.net/author/kyoko/

【プログラム】
18:30 開場
19:00 はじまりの挨拶 / 趣旨説明
19:15 ゲストトーク
20:30 交流会
21:00 終了
※途中参加・途中退出OK

【申し込みURL】
下記URLより、お早めにお申込みをお願いします。
https://oteranosocialdesign001.peatix.com/


お坊さん、地域で生きる人、職人さん、企業経営者、研究者など、人の話をありのままに聴くインタビューに取り組むライター。彼岸寺には2009年に参加。お坊さんインタビュー連載「坊主めくり」(2009~2014)他、いろんな記事を書きました。あたらしい言葉で仏教を語る場を開きたいと願い、彼岸寺のリニューアルに参加。著書に『京大的文化事典 自由とカオスの生態系』(フィルムアート社)がある。