続・お付き合いの決め手

さて前回の続きです。

彼氏(今は旦那さん)がお坊さんだと周りに話すと
「滝に打たれていそう」とか「祇園で遊んでいる」
といった偏ったイメージを持つ人がいます。

私もお坊さんと無縁だった頃はそんなイメージを抱いていた一人です。
それに加え 「お坊ちゃま」 なイメージを持っていました。
大きい敷地に住んで、大事に育てられ、犬に例えるなら高級室内犬のイメージです。

しかもお付き合いする前に「実家では”若さま”とか”若さん”って周りに呼ばれている」
と聞いたので、ますます私のお坊ちゃまイメージは加速するばかり。
頭の中で 「姫ー!殿ー!若さまー!」 みたいな勝手な妄想が出来上がっていたのです。
(彼の宗派では副住職のことを若院と言うので、そこから若さま)

私といえば、田舎生まれの6人兄弟8人家族。
鍛えられた兄弟喧嘩でみるみるたくましく育ち、
犬ならば野良犬が妥当なところです。

そんな私に若さまが釣り合うのか!?
正直そのことがとても不安だったのです。

お坊ちゃまが苦手とまでは言いませんが、お付き合いする相手となれば
それなりに 「どこでも生きていける能力があるかどうか」 というのはとても重要です。

そんなことを不安に思っていたとき
たまたま彼の住んでいた大学の寮に遊びに行くことになりました。
そこに居合わせていた彼の友人が 「きっと見たらビックリする」 とニヤニヤしながら
私に言った顔が今でも忘れられません。

実際寮に辿り着いたら、本当にビックリ仰天してしまったです。
そこはお化け屋敷のような古い木造建築。
(京大の吉田寮をご存知の方は、それに近いことを想像していただきたい)

「外からホースの水をかけたら壁が溶けるよ」 とか
「冷暖房禁止だから、夏は暑すぎてベッドの鉄骨の上に直接寝ていた」
という事を楽しげに話す彼を見て
「あ、大丈夫だ。お付き合いできる。」と確信したのでした。
と同時に、ギャップとはこういう事かとえらく納得したのでした。
(ちなみに彼が出た翌年にその寮は老朽化のため取り壊されたようです)

※写真は結婚後、彼の書斎に物を運んでいるときのもの

こじま あゆみ

滋賀県出身。キリスト教(カトリック)を熱く信仰する家庭で育つ。6人兄弟の長女でクリスチャンネームはマリア。 2014年春、お坊さんと恋愛結婚しお寺に嫁ぐことに。現在名古屋市にある真宗大谷派・開闡寺(かいせんじ)の若坊守として日々奮闘中。京都の老舗木版画店「竹笹堂」の元店長。