食生活の変化を背景として2000年頃から「食材・食習慣・栄養など食に関する教育」のことを指して、「食育」という言葉が広く使われるようになりました。しかし知識としてだけでなく、実際に「食べる」という行為に、私たちは普段どこまで意識を向けているでしょうか。
曹洞宗の大本山・永平寺。曹洞宗では、修行に勤しむ雲水(修行僧)さんたちにとって食事もまた修行の一環です。料理の材料はもちろん、料理を作ることに関しても無駄が出ないような心がけが徹底されていたり、また食事の所作に関しても、細かい決まりがあります。それは、「食べる」ということに、しっかりと意識を向けるためのもの。
今回、日常を心地よく生きるために「知っておきたい 禅と食」と題して、それらを気軽に体験していただけるイベントが開催されます。雲水さんたちが日頃使う食器、〈応量器(おうりょうき)〉を使い、実際の作法を少し簡略化したものを学びながら、食事を楽しみつつも、しっかりと「食べる」ということに意識を向けることができる内容となっております。
ご講師にお迎えするのは、彼岸寺「禅僧の台所」でもお馴染み、曹洞宗普門寺副住職の吉村昇洋さん。精進料理に精通しておられる吉村さんから「禅と食」というテーマでお話をいただき、「一体、食事って何だろう?」ということを改めて考えつつ、実際に皆さんお料理を召し上がっていただきます。
今回お料理を提供してくださるのは、吉村さん……ではなく、秋葉原で「こまきしょくどう」を営む藤井小牧さん。藤井さんは、なんと臨済宗のお寺にルーツをお持ちの料理人。独自で精進料理や日本の食文化を学び、現在、お店でカフェ風精進料理を提供するとともに、様々な宗教的制限のある食事にも気を配り、活躍されています。
さらに、今回は吉村さんにご指導いただく坐禅体験もあり、「禅」と「食」を通して、日々を心地よく生きる上で大切な様々なことを学べる機会となっております。
そして会場となるのは、東京グランドホテル。ホテルとしては珍しく(?)畳の研修道場を備えており、さらにご本尊(仏さま)も安置されております。静謐な空間で、ほんの少し日常から離れた、豊かなお時間をお過ごしいただけることでしょう。
皆さまぜひご参加くださいませ。
■日常を心地よく生きるために「知っておきたい 禅と食」
日 時 | 2017年10月21日(土) 10:00~14:00 |
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会 場 | 東京グランドホテル(東京都港区芝) |
定 員 | 70名 |
参加費 | 4,000円(坐禅体験・講座・こまきしょくどう特製精進料理付) |
講 師 | 吉村昇洋師(曹洞宗八屋山普門寺副住職・臨床心理士) |
料理制作 | 藤井小牧(こまきしょくどう) |
主 催 | 公益財団法人仏教伝道協会 http://www.bdk.or.jp/ |
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