Q.お寺の家に生まれたけれどもどうしても跡継ぎしたくない場合しなくてもいいんですか?

A.継がない方もおります。

お寺といえば、世襲制で、お寺の子どもがお寺を継いでいかねばならない、というイメージがあるかと思いますが、必ずそうでなければならない、というわけではありません。お寺の生まれであっても、お坊さんになってない人もおられますし、以前「有名人で実はお坊さんって人いますか?」という質問で答えさせていただいたように、お寺生まれでも、お寺以外のお仕事をされておられる方も、たくさんおられます。

同じように、お寺の後継ぎとなるべき嫡子であっても、どうしてもお寺を継ぎたくなく、他の仕事をしたい、と思われれば、お寺を出る選択肢も無いわけではありません。お寺や檀家さんの今後の事をしっかりと考えるのが、お寺に生まれ、檀家さんのお布施によって育った者としては大事なことなのですが、やはり個人の意思や気持ちも大切ですからね。

ただその場合は、キチンと住職や檀家さんと話し合うのはもちろん、二度とお寺を継がない決意と、約束がなければならないかと思います。でなければ、いつか帰ってきてくれるかもしれないという淡い期待を住職に持たせて、お寺の次の後継者を決める事ができないこともあるでしょうし、養子をもらったり、他のお坊さんに入寺してもらったりして後継者を立てても、その後で出て行ってたお寺の嫡子がお寺に帰ってきて「継ぎたい」なんて言い出した日には、必ずもめますから。

ですから、もし、もうお寺には帰らないぐらいの不退の覚悟があるのならば、お寺の跡継ぎさんであっても、他の生きる道を見つけても良いのかなと思います。

不思議なご縁で彼岸寺の代表を務めています。念仏推しのお坊さんです。