『生きるのがつらいときに読む ブッダの言葉』を出版しました!

みなさま、こんにちは!真宗大谷派の光澤裕顕(みつざわひろあき)と申します。

私は僧侶としての活動のかたわら、マンガ家・イラストレーターとしても活動しており、かわいいけどちょっと個性的な作風でいろいろな作品を手がけています。彼岸寺さんとなじみのあるところでは、2017年ごろから『フリースタイルな僧侶たち』にてマンガの連載をしていました。

そんな私ですが、この度、初の著書を出版いたしました!

タイトルは『生きるのがつらいときに読むブッダの言葉』。

ブッダの言葉を、マンガ、解説文、イラストを織り交ぜながら紹介しています。

仏教とマンガを組み合わせた書籍は、これまでに何冊も出版されています。しかし、そのつくりは、僧侶が説いた仏教的な教えをプロのマンガ家(イラストレーター)さんが作画をする形式がほとんどでした。本書ではマンガ・テキスト・イラストのすべてを私が魂を込めて執筆しております。第三者を介さずに僧侶の思いがダイレクトに込められているところが、この本の大きな特徴となっています。

本書は、ブッダの生涯をダイジェストで学べる導入と、6篇のマンガで構成されています。物語の中心となるのは、新米僧侶の唯ちゃんと、その師匠・猫師。2人(1人と1匹?)のもとに「悩み」を抱えた個性的なキャラクターたちがやってきます。

他人が注目されることに対する嫉妬心、婚活で「運命の人」に出逢えない焦り、職場の厄介な先輩に対するモヤモヤ等々……

登場人物はすべて架空の存在ですが、彼・彼女たちが抱えているのは、私たちが日々直面している苦しみそのものです。私はそれぞれのキャラクターの先に、実際に悩んでいる方々の姿をイメージし、その方と対話するような気持ちで作画・執筆をしました。

中身を少しご紹介しましょう。

第1章ではSNSによるトラブルを取り上げています。SNSは、20~30代では9割近い方が何かしら利用しており、もはや私たちの日常生活と切っても切れないものとなっています。

ただ、一方で、これだけ多くの方が利用しているのにもかかわらず、個人の価値観による「善悪」の決めつけが誹謗中傷に発展するなど、危険な状況が放置されているのもまた事実。

日常的にSNSを利用する私たちは、いつでもトラブルに巻き込まれる可能性があるのです。

第1章では、こうした状況下で、はからずも加害者になってしまった人物の悩みをとりあげました。マンガでは、加害者=悪という単純な構図ではなく、ネガティブな投稿をした加害者も一人の人間として捉えています。なぜなら、SNSの世界の中で、人は被害者にも加害者にもなりうるからです。

続く第2章では、職場の人間関係について、第3章では評価されない悩み、第4章では「運命の人」との出会いについて、第5章では「自分らしさ」について、そして最後の第6章では「死」について、という構成になっております。

人と比べることから不幸が始まる
悪口ばかりの雑談からは物理的に距離をとる
人はなぜ「死」を恐れるのか

このように、本書では固定化されたテンプレートの「悩み」ではなく、私たちがリアルに直面しているシチュエーションの「悩み」を多数とりあげました。 

このマンガが、みなさんと仏教との橋渡し役となり、生きづらい時代を生き抜くために、ほんの少しでもお役に立てば幸いです。

ぜひ、お手にとってご一読ください。

●著者・光澤裕顕さんのTwitter
https://twitter.com/Mituaki028

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