世界初!?死生観に光をあてる『死生観光トランプ』クラウドファンディング挑戦中

この記事は死について語る「Deathカフェ」を主宰する団体「ワカゾー」の藤井一葉さんからご寄稿いただきました。


日常のなかに死をそっと混ぜこみたい……。『死生観光トランプ』を制作して、死を考える

友人とコーヒーを飲みながら、居酒屋でお酒を飲みながら、夕食の食卓で子どもと「死」について語ったことはありますか?

私たちは誰しもが、いつか必ず死につかまる存在。でも、日常ではなかなか語られることのない「死」を語り合うために「Deathカフェ」を開催してきた有志若手僧侶グループ「ワカゾー」が、新たなツールとして『死生観光トランプ』を制作するべくチャレンジしています。

トランプという遊びのツールと掛け合わせながら、この世界にある様々な「死生観」に光を当てることで、日常のなかにそっと死を混ぜ込んでいけたらと考えました。より多くの方の手に渡り、「生」と同じように「死」についてもカジュアルに語れる場が増えることを夢描いています。

READYFOR クラウドファンデイング 「『死生観光トランプ』を制作して死を考えたい」

死についてカジュアルに語る場、『Deathカフェ』」

仏教や社会について想いを巡らせ、仏教を軸とし、お寺の空間・人材・教えを活かして、色んな活動が何かできないだろうかと集まったのが、有志若手僧侶グループ「ワカゾー」。

2015年、私たちワカゾーは、私たちも含めたすべての人々に必ずおとずれる「死」について「もっと気軽に喋れる場所があってもいいじゃん!?」という思いのもとに「Deathについて喋るんデス」をキャッチコピーとして、死についてお寺で語らうという『Deathカフェ』をはじめました。

この、死について語り合う「Death Cafe(デスカフェ)」は、2004年に、スイス在住の社会学者であるバーナード・クレッタズ氏が妻の死を契機に、「死」についてカジュアルに話す会を開いたことが発端だったと言われています。そして、今では「Death Cafe」として、世界各国で行われるようになったそうです。

ワカゾーは、これまでに50回以上のDeathカフェを開催しており、全体でのべ540名以上の方にご参加いただきました。NHKや放送大学、読売テレビといって新聞や雑誌にも多数取材をいただきました。

また、Deathカフェにご参加くださった方々からは、

◆「死について語ったり考えていたのに、いつの間にか、これからどう生きていくのかを見つめる時間になっていました」

◆「最近パートナーを亡くして死の意味ってなんだろうと悩んでました。デスカフェに参加して、その答えが見つかったわけじゃないのですが、少なくとも、死を考え続けることは大切なことなんだと確信がもてました」

 など感想をいただき、様々な気づきを得る場にもなっているようです。

「死」についてもっとカジュアルに語れる場が増えていくよう、私たちワカゾーはこれからも様々なツールを用いた『Deathカフェ』を開催していくとともに、無料でダウンロードしていただけるツールも増やしていきたいと思っています。

現在公開している弔辞ワークショップはこちら▶︎https://wakazo-deathcafe.com/

ワカゾーのイベント情報▶︎Facebookページ

世界各国の死生観に光をあてる、『死生観光トランプ』

「『Deathカフェ』で用いる新たなツールは何だろう?」
「全国各地でもっと死について語りあえる場が広まるような⋯⋯」
「日常にそっと死をまぜこめるような」
「死がタブー視されすぎているような雰囲気を、少しだけでもやわらげたい」

そうした想いを抱いた私たちワカゾーが相談したのは、『まわしよみ新聞』、『直観讀みブックマーカー』、『当事者研究スゴロク』や『大阪七墓巡り復活プロジェクト』など、数々の奇想天外な遊びなどを開発し続ける、観光家/コモンズ・デザイナー/社会実験者の陸奥賢(むつさとし)氏でした。

陸奥氏:「うーん、なるほど⋯⋯。ほな、世界各国の死生観が載ってるトランプを作ろ!名前は…『死生観光トランプ』や!トランプは人類が生み出した史上最高の遊びの1つやからね!!」

ちょうど1年前、大阪の喫茶店でコーヒー片手に1人の社会実験者と2人の僧侶が語り合いました。

試作段階のトランプ

そうして『死生観光トランプ』の制作が開始。当初はなかなか進みませんでしたが、そこに坂上デザインの坂上彰啓さんの多大なご協力が加わることによって、ようやく形が見え、この度ついに完成となりました。

この『死生観光トランプ』の大きな特徴は、一枚一枚のトランプに、世界各国、様々な文化の死生観のイラストとキャッチコピーが描かれていることです。

もちろん、「トランプ」としても遊べるようにもなっています。4つのマークごとに1〜13までの数字のカードがあり、そこにジョーカー2枚をあわせた、全部で54枚の作りとなっています。4つのマークは、他のトランプとは少し違いますが…。

ここで、ちょっとだけ『死生観光トランプ』のご紹介!

まずは、左のカードから。こちらは、死霊を追い払うために、遺体を叩き、踏みつけるというもの。私たちには驚くような死生観です!

右のカードは、葬儀のときに、泣き叫ぶ役割の方がいらっしゃる、というもの。QRコードを読み取ってもらうと、その死生観の詳細がわかるようになっています。

2つのトランプを見て気付かれる方もおられるかもしれませんが、イラストのタッチが異なっています。トランプのイラストは、全国各地のお坊さんと仏教を愛する方々に描いていただきました。総勢14名。色んなタッチも、楽しんでいただけたらと思います。(こちらでイラストレーターたちのインタビューも紹介中

そして、トランプのマークは、ドクロやお線香など、死を連想させるものにしています。

眺めるもよし、ババ抜きや七並べ、大富豪をしてもよし、自分たちでオリジナルの遊び方を考えもよし。使い方(遊び方)はきっと無限です。

「死」がじんわりととけこんでいく日常

『死生観光トランプ』は、現在、ツール制作の原動力ともなった想いから、クラウドファンディングに挑戦しております。それは、「多くの方に死についてふれる機会をもってほしい」というものです。

最初のゴールである「目標35万円」は、皆さまからのご支援のおかげで、開始3日目に到達することができました!本当に、ありがとうございます。

そして、プロジェクト自体はお彼岸明けの2020年9月25日(金)23時までが期限なので、より多くの方にこの想いが届けられるように、次の目標(ネクストゴール)を設定し、最後まで挑戦を続けさせていただいております。

ウェブサイトでの無料ダウンロード版と販売用の紙版の『死生観光トランプ』作成にむけて、クラウドファンディングは終了まであとわずか。応援、ご支援いただけましたら幸いです。

「Deathについてしゃべるんデス!」の輪が少しでも広がり、「生」も「死」もカジュアルに語れる社会への一歩となりますよう。合掌

READYFOR「『死生観光トランプ』を制作して死を考えたい」
https://readyfor.jp/projects/shiseikanko-trump


オンライン(Zoom機能使用)での死生観光トランプを使ったワークショップも開催します。ご興味ある方はこちらもぜひご覧ください。

●DeathCafeWeek 『ワカゾーのデスカフェ 〜世界各国の死生観に光をあてる〜』

▼日時
2020年9月24日(木)19:00〜21:00
▼参加費
500円
▼詳細・お申し込み
http://ptix.at/L0IAle

●DeathCafeWeek 『ワカゾーのデスカフェ 〜弔辞づくりを通して死を想う〜』
▼日時
2020年9月24日(木)14:00〜16:00
▼参加費
500円
▼詳細・お申し込み
http://ptix.at/dmOzrb


ワカゾー

京都を中心として活動している、20〜30代の若い僧侶の有志団体。特定の宗派にこだわらず、想いをともにできる若手僧侶が仏教に基づいた様々な活動を生み出し、切磋琢磨しながら育んでいくことを目指して活動しています。

編集:ワカゾー 藤井一葉

彼岸寺は、仏教とあなたのご縁を結ぶ、インターネット上のお寺です。 誰もが、一人ひとりの仏教をのびのびと語り、共有できる、そんなお寺です。