【11/16〜】舞台は夜のお寺!? 芸大生とお坊さんがつくるアート×仏教フェス 「十夜祭」開催!

今回は十夜祭代表の圓城史也さんからご寄稿いただきました。この秋の京都は夜のお寺も楽しそうです!


こんにちは!十夜祭の圓城と申します。

学生の頃にとある浄土宗のお坊さんと出会い、「十夜法要をフェスとしてリバイバルできないだろうか」というお声かけを頂いたご縁から「アートと仏教を掛け合わせながら盛り上げてみたい!」と思い立ち、十夜祭というイベントの企画運営をさせて頂いています。今年も京都市内の3つのお寺を舞台に、来月11月に開催致します。

ー十夜法要ー
浄土宗で最も大切な経典の一つ『無量寿経』に「この世において十日十夜の間、善行を行うことは、仏の国で千年間善行をすることよりも尊い。」と説かれています。その教えに沿い、毎年10月から11月にかけて全国の浄土宗寺院で行われてきた伝統行事です。現代では、十日十夜に渡って勤められることは殆ど無く、姿を消しつつあります。

彼岸寺を見ている方は、お寺や仏教に興味があるという方も多いかもしれませんね。あなたは、お寺や仏教のどんなところに興味がありますか?

十夜祭は今年で4年目を迎えるのですが、私はお寺の生まれということではなく、最初から興味があった訳でもありません。学生時代に経験した寺社仏閣での様々な活動の中で、地域のお寺が持つ物語性に惹かれ、「脈々と継承されてきた今もそこにあるモノ・コトをちゃんと伝えていきたい」と思うようになりました。

その想いを、自分にとって身近なアートを通じて形にしたいと思ったことが、十夜祭の始まりでした。最初は「結局、十夜祭って何を目指してるの?何をやってるの?」と尋ねらられても、私も今一言葉できず、得体の知れない何かを創っているという実感だけが心のどこかに強くありました。でも、毎年関西の芸大生とお坊さんが一緒になって企画して、試行錯誤を繰り返していく中で、その答えも少しずつ言葉にしていけるようになりました。

私たちの目的は、十夜法要をはじめとする仏教文化継承の在り方を創ることにあります

そのために、2つの軸を持って企画しています。
①画像や動画を通じたコミュニケーションが中心となるSNSが発達した現代において、アートと仏教を組み合わせ「宗教の可視化」をすること。
②様々な表現を通じて、仏教の世界観を追体験してもらうこと。

では早速、今年の企画をご紹介したいと思います!


⬜︎ 現代演劇「シモツキユリ」 11/17・11/18 @宝蔵寺
“陰があるからこそ光が存在する“という日本古来の美徳「陰翳礼讃」をコンセプトとするコンテンポラリーダンスを取り入れた現代演劇。
▷ここが見どころ!
◎ 撮影禁止!お寺にしかない陰と陽が醸す日本特有の空間を体感できる!
◎ 演劇で登場する出演者の衣装は全て服飾専攻の学生スタッフが手がけている!
◎ 演劇のテーマに合わせた当日のスタッフのドレスコードも必見!


⬜︎ 音楽パフォーマンス「NAMUAMIDANCE」 11/16 – 11/18 @宝蔵寺
極楽浄土に現代のクラブの世界観を重ねた音楽イベント。
▷ここが見どころ!
◎ エレクトロニック音楽と映像が醸し出す緩やかな空間で、体を静かに揺らして仏教を愉しむ新感覚体験!
◎ 現代音楽と法要がコラボする実験的パフォーマンスをライブビューイング!


⬜︎ 現代演劇「環状 – 11/17 5:00 PM -」 11/17・11/18 @金剛寺
仏教で用いられる過去生や来世で起きることも含めた「因果」という言葉を、六道輪廻の世界観に重ねる現代演劇。
▷ここが見どころ!
◎ 悩み、苦しみ、喜び等、人の感情と仏教的世界観が織りなす独創的パフォーマンス。
◎ 境内を周遊しながら様々な角度から観劇できる斬新な会場設計。


⬜︎ 脱出ゲーム「六道輪廻からの脱出」 11/24・11/25 @知恩寺
物語に沿って謎を問き、脱出するためのヒントを集めていくことで「解脱」という仏教の概念を追体験できる脱出ゲーム。
▷ここが見どころ!
◎ 謎制作団体「ヒラクキカク」とのコラボによって作り込まれた物語と謎と世界観!
◎ 境内全体を舞台とするダイナミックな会場設計!
◎ 謎を解く過程で伏線が回収されていく爽快感!


⬜︎ インスタレーション:蓮の息吹 11/24・11/25 @知恩寺
極楽浄土の世界観をテーマとするインスタレーション作品。釈迦堂内中央に光り輝く巨大な蓮華が出現。
▷ここが見どころ!
◎ 蓮華に映し出させる光と静寂に包まれる神秘的な空間を実現!
◎ 情報過多な現代、お寺は自身の仏性を見つめられる大切な場であることを象徴的に体現!※ 仏性:全ての衆生が持つとされる悟りの種。
今年の十夜祭は「ユースカルチャー(若者文化)」をテーマに取り入れることで、親しみやすいと感じてもらえるような企画を目指しました。


裏話ですが、はじめ「ユースカルチャー」というと、視覚的に分かりやすい言葉(アイドル、メタル、グラフィティアート等々)をテーマとする企画が立ち上がってくるかなぁと考えていました。ですが、「私たちにとってのユースカルチャーってそもそも何だろう」という言葉の定義とその解釈から始めるチームもあり、良い意味で期待を裏切る企画内容になったなぁと思っています。

一見すると、「これのどこらへんがユースカルチャーなの?」と感じられる内容もあるかもしれませんが、背景にある彼らの想いにも思考を巡らせながら、それも含めて楽しんで頂ければと思っています。

アート×仏教、そこにユースカルチャーという視点が加わった今年ならではの斬新な企画を体感しに、ぜひ夜のお寺へふらっと足をお運びください。お待ちしています!

彼岸寺は、仏教とあなたのご縁を結ぶ、インターネット上のお寺です。 誰もが、一人ひとりの仏教をのびのびと語り、共有できる、そんなお寺です。