朝の来ないお寺はない! #テンプルモーニング を始めよう

「これからは掃除!」という思いから始めた、テンプルモーニング。一言でいうと、お寺の朝掃除の会です。2011年に縁あって出版させていただいた『お坊さんが教える心が整う掃除の本』(ディスカヴァートゥエンティワン)が海外でたくさんの言語に翻訳されることに驚きつつ、掃除に注目してきました。そして昨年、思い立って始めたテンプルモーニングの取り組みを1年以上続けてきて、「やっぱり掃除!」と感じてます。

神谷町光明寺のテンプルモーニングは、2週間に1度くらいのペースで、時間は7時半から8時半まで。お経を15分間読んで、境内を20分間掃除して、その後にトーク・対話をするというもの。告知は今のところ私のTwitterだけですが、毎回10〜20人ほどの人たちが入れ替わり、参加してくださいます。誰でも参加できます。もちろん無料。良ければ私のツイッター(@shoukeim)インスタグラム(@templemorning)をフォローくださいね。

掃除は誰でもできるし、どんなお寺でもできます。というか、掃除をしないお寺はないので、どこのお寺もすでにやってます。何か新しく始めることは負担が大きいですが、もともとやっていることを続けながら「一緒にやりませんか」と呼びかけるだけなら、取組みとしてもこれほどハードルの低いことはないだろうと。

テンプルモーニングには、老若男女、職業や立ち場を問わずいろいろな人たちが集まってきます。だから、コミュニティとしても面白い。入り口に「掃除」というアクションがあるおかげで、「出番があるから、そこが居場所になる」という、コミュニティづくりのサイクルが勢いよく回ります。人と人との距離感がちょうどいいんですね。おしゃべり好きな人はわいわいしゃべりながらしても良し、内気な人は黙々と集中しても良し。どちらにしても、無理なく自然に過ごせます。先日、キンコン西野さんと対談をしたときに、「クルマでドライブしているときって、しゃべっても、黙っても、寝てしまってもいい。あの距離感がコミュニティを作るときにいいんですよね」と語っていらっしゃいましたが、まさにそんな感じです。

おかげさまで、未来の住職塾の仲間のお寺でも少しずつ始めるお寺が増えてきて、先日はいよいよ、未来の仏教ラボにて「テンプルモーニングプロジェクト立ち上げ会議」を開きました。神谷町光明寺のテンプルモーニングチームの他、山梨県の日蓮宗・横山瑞法さんによる「地方寺院でTemple Morningを始めた体験談の講義プレゼン」や、佐賀県の曹洞宗・高岸宗範さんによる「禅寺での掃除イベント企画プレゼン」で、話が盛り上がりました。

そこで出てきた”あるある話”なんですが、テンプルモーニングに興味を持ったお坊さんから「これは都会だからできるんですよね」「松本さんが呼びかけるから人が集まるんですよ」というようなことを言われることがよくあります。実際、地方のお寺で呼びかけてみても参加者が誰もいなかった、なんていうお寺の声を聞くことも。

そんな中、今回、山梨県の南アルプス市で取り組みを続けて来られた横山さんの体験談がとても印象的で。横山さんは、神谷町光明寺のテンプルモーニングを参考に、自坊でもやってみようと思って、「この日にやります!」とフェイスブックで呼びかけてみたそうです。結果、初回の参加者はゼロ。でも、横山さんはここでめげずに、「誰もいなくても、自分がいるじゃないか。もともと、朝のお勤めはするものだし、掃除もするし、お茶も飲む。だから、とりあえず一人でも誰かと一緒にやっている気持ちで、テンプルモーニングしてみよう」と考えたんですね。

いつもの自分のお寺で、いつもと同じ一人だけど、初めて参加するような新鮮な気持ちで、いつもよりゆっくりお経を読み、丁寧に掃除をし、用意していたポットでお茶を入れながら、お座敷で一人佇み、しげしげとお寺の様子を眺めてみる・・・。そこで、横山さんは「あれっ、うちのお寺って、思ったより、いいじゃないか・・・!」と気づいたそうです(笑) それからというもの、「テンプルモーニングの参加者がゼロということはあり得ない。なぜなら、少なくとも自分が参加しているから」という気持ちで、気楽に続けているとのこと。そんな横山さんのポジティブさ、楽しさが伝わったのか、参加者は少しずつ増えて、今は平均、4〜5名の人が参加するようになっています。

このお話って、すごく大事なことを教えてくれていると思うんです。人が集まるかどうかとか心配する前に、横山さんは、まず自分が体験してそれを楽しんだ。だからこそ続けられるし、周りの人も参加してみたくなりますよね。何かを新しく始めるのでなく、今ここにある価値を再発見して生かしていくこと。誰かや何かのためでなく、まず自分自身がそれを体験すること。それが大事だと。

このエピソードから、私たちの中で発想の転換が起こりました。テンプルモーニングを皆に呼びかけて催しとして開くのではなく、#テンプルモーニング、つまり、何気なく当たり前にある「お寺の朝」を、一人ひとりが楽しみながら丁寧に体験し直し、その良さを紹介することから始めてみるのはどうだろうか? お寺の住職にとっては当たり前のことかもしれないけど、朝早起きしてお寺でお経を読んだり、掃除したり、お茶を飲むことは、シンプルにとても気持ちがいいもの。それを住職が一人でやっているということは、ある意味、お寺の豊かな朝の時間を住職が独り占めしている状態なんじゃないか? 僧侶自身がまずそれを楽しみながら、みんなにその良さを紹介して、雰囲気をおすそ分けしていくことからやってみようと、皆の意見がまとまりました。朝のお経や掃除を地道に続けているお寺は実はたくさんあるのですが、そういうお寺の様子を可視化することにも、意義があるだろうと思います。

テンプルモーニングは、文字通り、お寺の朝。
朝の来ないお寺はない!
テンプルモーニングから、#テンプルモーニングへ。
ハッシュタグ #templemorning で、フェイスブックやツイッターやインスタグラムなどのSNSから「お寺の朝」をどんどん発信していきましょう。
すでにいくつかのお寺で始まっていますので、それぞれのSNSで様子を覗いてみてくださいね。

Twitter #templemorning

Instagram #templemorning

時々、「うちのお寺でもテンプルモーニングを始めたいんですが、どうやって許可をもらえばいいですか?」と聞かれることがありますが(笑)、もちろん全く許可は要りません。テンプルモーニングは、読んで字のごとく「お寺の朝」です。誰のものでもありません。「うちのお寺の朝」が、そのまま「うちのテンプルモーニング」です。テンプルモーニングという名称も、ハッシュタグ #templemorning も、遠慮なく勝手にどんどん使ってくださいね。

もちろん、お坊さんでなくとも使ってもらって構いませんし、お寺も神社も教会も、開かれているところであれば、勝手にお参りして勝手に「今日の私のテンプルモーニング」として発信するのもOKですよね。ハッシュタグ #templemorning で、お寺の朝をみんなで楽しもう!

松本紹圭

東京神谷町光明寺僧侶。未来の住職塾塾長。 「ちりを払わん、あかを除かん」一緒にお寺で朝の掃除から、一日を始めてみませんか?