A. 「仏跡(ぶっせき)」と呼ばれる聖地があります。
仏教において聖地があるか、と言うご質問ですが、答えは「ある」です。イスラム教においてメッカが聖地とされるのは、イスラム教の祖、ムハンマド生誕の地であることが大きな理由ですが、それと同じように、仏教でもお釈迦様生誕の地であるルンビニーは、大切な場所とされます。他にも、お釈迦様がさとりを開かれたブッダガヤ、最初に説法をされたサールナート、祇園精舎や竹林精舎と呼ばれる仏教教団が滞在した地、お釈迦様が入滅されたクシナガラなどがお釈迦様の縁の地として、聖地に挙げられます。これらを「仏跡」と呼びます。
また、仏教はインドから様々な地へ伝播しますが、その伝わった先でも、拠点となった土地は、やはり大切な場所として扱われます。例えば、チベットのポタラ宮もそうでしょうし、中国の五台山、天台山、日本では比叡山や高野山も、聖地と言えるでしょう。
ただ、これは私のイメージですが、仏教にとって上記のような聖地は、大切な場所ではありますが、イスラム教における聖地ほど絶対的ではないかもしれません。仏教において真に大切な事は、その土地ではなく、教えそのものです。ですから、私が仏教に触れる事のできる場所が、ある意味では聖地と言えるかもしれませんね。