Q.一回のお経でいくらもらえるのですか?

A.その時その時です。

ど真ん中直球の質問が来ましたね(笑)こういう質問が一番難しかったりするのですが、頑張って答えさせていただきます。

厳密に言えば、お経をあげて受け取ったお布施は、実はその僧侶のものではありません。なぜならお布施は、お経をあげてもらった事に対する労働の代価ではないんです。

と言うのも、お布施の対象は本来、仏さま、そして仏法に対してであり、ひいては、仏さまとその教えを護持するためのお寺の維持や、仏教を広める事業を支えるために為されるものであるからです。

なので、多くのお坊さんは、「お預かり」したお布施を持ち帰ってお寺への布施収入として計上し、そこからそれぞれお給料をいただくという形になっていると思いますので、お参り毎にいくら、ということはありません。

ただ、檀家さんからすれば、対象がお寺であろうが僧侶であろうが、お金を出すことには変わりないし、それをもらっているのだから、その額が聞きたい、ということだと思うので、それにお答えするならば、その時その時で違うとしか、お答えはできません。

お布施をするという事は、物に対するとらわれの心を離れるために、自分の財産を喜捨、喜んで捨てるという修行であるというのが、本来の意義です。また、お布施をするということは、仏法に触れた喜びと感謝を形に表す行為でもあるので、額を決めるようなものではなく、人それぞれ、その時々のものなんです。なので実際には、100円のことだってあるでしょうし、大きな会社の社長さんのお葬式などでは、ビックリするような額のことも、稀にですがあるかと思います。

不思議なご縁で彼岸寺の代表を務めています。念仏推しのお坊さんです。