記念すべき5年目の大賞が決定!「輝け!お寺の掲示板大賞2022」今年も大団円!

「輝け!お寺の掲示板大賞2022」の受賞作品が12月5日に発表されました。2018年に開催された第1回目の投稿数は700でしたが、第5回目の今回は4093。第一回目に比べると、6倍近くに伸びたことになります。

大変多くの投稿作品の中から大賞に選ばれた作品は、「武器を捨てて 数珠を持とう 絵・文字 長男(10)」(京都府・龍岸寺)です。龍岸寺さんは、これまで「NOご先祖 NO LIFE」など数多くの話題作を生み出してきました。今回は、龍岸寺のご住職ではなく、住職のご長男(当時10歳)が書いた作品で、いままでの中で間違いなく最年少の受賞となります。講評は以下の通りとなります。

今年の2月に始まったウクライナでの戦争により、いまなお多くの人々が苦しんでいます。『仏説無量寿経』の中には「兵戈無用(ひょうがむよう)」とあり、これは「武力も兵力も必要がない」という意味の言葉です。地球の未来を担う子どもたちのためにも、「武器を捨てて、数珠を持ち、拝む心(敬い感謝する心)を大切にしてほしい」ということで、今回は子どもによる掲示板の作品を大賞に選ばせていただきました。

ロシアの侵攻に伴い、いまなお戦争で苦しんでいる方が大勢います。今年は反戦に関するメッセージが数多くありましたが、子どもによるシンプルなメッセージと絵が心に強く響きましたので、この作品が大賞に選ばれました。

他にも様々な優れた作品がありました。一つ挙げるとすると、仏教伝道協会賞を受賞した「毒言吐いたら 自分も浴びる」(広島県・妙慶院)という作品です。みなさんもご存じのとおり、近年インターネット上での悪口や誹謗中傷が大きな問題になっています。

お釈迦様は『スッタニパータ』の中で、「人が生まれたときには、実に口の中に斧が生じている。愚者は悪口を語って、 その斧によって自分を断つのである」とおっしゃっておられます。たとえ匿名アカウントを使ったとしても、悪口は自分を傷つけることに必ずつながります。くれぐれも気を付けたいものです。

他にも、ホッとする言葉や、ギクリとする言葉、味わい深い言葉などなど、いろんな受賞作品がありますので、以下の仏教伝道協会ホームページからご覧ください。

「お寺の掲示板大賞」は今年で5年目となりましたが、受賞作品の発表当日にはNHKニュース(web版)で報じられました。

他にも様々な主要メディアで取りあげて頂いていますが、発表当日にNHKニュースで取り上げられるようなメジャーな企画に発展したのかと思うと、担当としては感慨深いものがありました。

これもひとえに、いままで掲示板大賞を支え、ご協力してくださった皆様のおかげです。心より厚く感謝申し上げます。来年もいままで同様に継続できればと思っていますので、一緒に「お寺の掲示板」を盛り上げて参りましょう!

浄土真宗本願寺派僧侶。1976年生まれ、福岡県出身。早稲田大学社会科学部・第一文学部東洋哲学専修卒業。早稲田大学文学研究科東洋哲学専攻修士課程中退。 築地本願寺内の(一社)仏教総合研究所事務局に勤務の後、2011年~2017年までドイツ・デュッセルドルフのドイツ惠光寺において、ヨーロッパ開教や日本文化を発信する事業に携わる。2017年より(公財)仏教伝道協会に勤務。 2018年に「輝け!お寺の掲示板大賞」を企画し、話題を集める。著書に『お寺の掲示板』(新潮社)。連載に「「お寺の掲示板」の深~いお言葉」(ダイヤモンド社「ダイヤモンド・オンライン」)などがある。