12月24日、築地本願寺サテライトテンプル、GINZAサロンで映画を題材に浄土真宗のお坊さんが仏教のお話=法話をするという「シネマ法話」が今年も開催されます。
皆さんは、映画を見ていて「これは自分のことを描いた映画だ!」と思ったことはありますか?
昨年のシネマ法話で、中村啓誠さんが『何者』という映画を通して法話をされました。私もこの『何者』という映画が大好きなのですが、見ていて「これは紛れもなく自分のことを言っている」と強烈に思いました。
映画はスクリーンの中での出来事です。安全地帯である観客席からスクリーンを見ているにも関わらず、これは他人事の話ではないと感じたのです。スクリーンの内側に引っ張り上げられるような感覚を持ったのです。冷静に客観的に見ていると思っていましたが、いつの間にか自分の内面をあばかれ、言い当てられていたという経験でした。
ラッパーで映画評論家の宇多丸さんはラジオで、そんな映画のことを「スクリーンに向かって、『おい!人に向かって指をさすな!』と思わず言ってしまう映画」というふうに話されていました。
これは仏様のお話、法話を聞くことにもあてはまると思うのです。
最初は、仏教の知識を得よう、そして自分の人生に役立てるものが少しでもあればと冷静に客観的に聞いていきます。しかし、実際に法話を聞くと、ドキッとすることがあります。自分の身の上で思い当たることが。それは自分の日ごろの悩み事だったりします。家族や、職場の人間関係の事だったりします。
その原因はつきつめれば自分のエゴです。人や自らをも傷つけたり、悲しませてしまったことなどを思い出すからです。
法話を聞くと仏様の教えを冷静に客観視しようとしている自分自身の姿もまた、仏様は全て見抜かれていることに気づかされていくのです。
しかし、法話はただ単に自分の汚い部分をあばかれるだけではありません。同時に「そのようなあなたを決して私は見捨てない」という仏様の私に向けられた慈悲心を聞くことでもあるのです。
仏様のお話とは他人事ではなかったのです。すべてが私のことです。
法話を聞くということは、「これはすべて、私わたしのことだよ」という仏様の智慧のお心と、「あなたを決して見捨てません」という慈悲のお心の中で、安心して自分の化けの皮がはがされ、本当の自分に出あわせてもらう出来事だったのです。
「シネマ法話」でお話されるのは、現代に向けての法話研鑽をしている僧侶たち。全国各地で布教合宿や布教研修を行い、科学や哲学、漫画、音楽などさまざまな分野から仏さまの限りないはたらきを伝えようとすったもんだしながら全員で取り組んでいます。この「シネマ法話」もそのチャレンジの一つです。
今年も全国各地から集まった5名の若手僧侶たちが、仏様のお心を、自分にとって大事な映画のストーリーを元にして法話をいたします。映画好きの方、法話を聞くのが好きな方、今回取り上げる映画にピンと来られた方も是非ご参加してみてください。映画を見てない方、法話を初めて聞く方ももちろん大歓迎です!
さらに今年はなんとWEB配信にもチャレンジ!多くの皆様に仏法に出会っていただけたらと思います!
銀座SALON KOKOROアカデミー
■シネマ法話~映画を通して、仏さまの教えを知る~
日 時:12月24日(木)14時~16時
会 場:銀座SALON(東京都中央区銀座2丁目6-4 竹中銀座ビルディング5階)
参加方法
・会場参加
・オンライン参加
参加費
1000円(オンライン参加の場合もお申込みと参加費が必要となります。)
申し込み
https://tsukijihongwanji.force.com/ginzasalon/s/
※築地本願寺倶楽部(入会金・会費 永年無料)のご入会が必要となります。
当日法話はWEB配信もあります。ご希望の方は前もって、上記サイトより手続きをしてくださいませ。
(ご予約は各講座開催日の60日前から受け付けます)
※注意※ ライブ配信は2日前までの受け付けとなりますのでお早めにお願いたします。
※昨年のシネマ法話はこちらからご覧いただけます
「ヴィンセントが教えてくれたもの」藤本文隆
「初恋の来た道」遠山泰範
「あん」藤井智子
「何者」中村啓誠