2020年3月13日(金)に大正大学での開催を予定していた「第3回 地域寺院倶楽部シンポジウム」は、新型コロナウイルスに ついての不安を考慮して、中止となりました。
ご理解ならびにご了承のほど、何とぞよろしくお願い申し上げます。
大正大学地域構想研究所・BSR 推進センター主幹研究員の小川有閑さんから、3月に行われるシンポジウムについてご寄稿をいただきました。
2000年を過ぎたころからでしょうか、仏教界では「若手僧侶」、「超宗派」というワードがセットになり、耳にされるようになってきました。それまでは、宗派でのつながり以外に、寺院同士がつながることは、地域の仏教会くらいだったように思います。
それが、社会、そして寺院を取り巻く環境が大きく変化し、寺院・僧侶の役割が問われるようになるなかで、若手僧侶が宗派・地域を超えてつながり出しました。一人では心細く、動き出したくても、動き出せない。しかし、同じ志を持つ仲間がいることで、一歩前に踏み出せる。
地域のなかでのつながりであっても、地域を隔ててのつながりであっても、同じ問題意識を共有し、刺激を与え合い、支え合う。そして、強制や義務ではなく、ゆるやかにつながりながらも、目指すものを明確にしながら、それぞれの持ち場で、それぞれのできることをなしていく。
具体的な課題の解決や行動を起こすことを目指して寺院が集うそのつながりは、従来のつながりとは異なる性質を持つものと言えるでしょう。
これまで2度開催された「地域寺院倶楽部シンポジウム」では、寺院がどのように地域の人々とつながっているかに焦点を当ててきましたが、今回は、新しい寺院同士のつながりについて考える機会にしたいと思います。
シンポジウムでは第一部として、「おてらおやつクラブ」と「SOCIAL TEMPLE」の2つの事例報告を行っていただきます。「おてらおやつクラブ」からは理事の福井良應さんに登壇をいただき、「SOCIAL TEMPLE」からは代表理事を務める近藤玄純さんからお話をいただきます。どちらの活動からも、新しい寺院同士のつながりというものを見ることができることでしょう。
また第二部では、私小川を司会としまして、事例報告のお二人に加えて二人のコメンテーターをお招きして、パネルディスカッションを行います。コメンテーターは浄土宗宗議会議員であり、WFB(世界仏教徒連盟)副事務総長も務める東海林良昌さんと、一般社団法人未来の住職塾理事、第 33 期全日本仏教会広報委員会委員などを務められる松崎香織さん。事例報告に対してのお二人のコメントを起点として、フロアの参加者とともに、これからの寺院同士のつながりについて考えていきたいと思います。
寺院の活性化だけでなく、地域資源やコミュニティにおけるネットワーク作りといった視点からも学ぶところのある内容かと思います。ぜひとも、多くの方々にご参加いただきたくご案内申し上げます。寺院の運営に携わる方々はもちろんのこと、寺院関係者以外でも地域社会の活性化をお考えのみなさまのご参加もお待ちしております。ご興味のあるご友人がいらっしゃいましたら、ぜひお勧めくださいますようお願い申し上げます。
どなたでもご参加いただけますので、お寺やまちづくりに興味をお持ちの方は、是非ご参加ください!
「第3回 地域寺院倶楽部シンポジウム」
日 時:2020年3月13日(金)14:00(開場13:30)~16:30
会 場:大正大学2号館8階(〒170-0001 東京都豊島区西巣鴨3丁目20-1)
定 員:80名(先着順)
参加費:1,000円(地域寺院倶楽部会員の方は無料)
お申込み こちらのサイト(https://chikouken.jp/10253/)の申し込みフォームからお申込みください。メールの方は、名前、住所、連絡先を記入し、j_ishida@mail.tais.ac.jpまで。※締切は3月7日まで。
タイムスケジュール
第1部 14:05~14:55 事例報告
登壇者(敬称略) 各25分報告
福井良應 (NPO法人おてらおやつクラブ理事)
近藤玄純 (一般社団法人SOCIAL TEMPLE代表理事)
休憩 14:55~15:30(ティーブレイクとして、参加者同士の懇親の場に)
第2部 15:30~16:25 パネルディスカッション
コメンテーター
東海林良昌(元全日本仏教青年会理事長)
松﨑香織 (一般社団法人未来の住職塾理事)
司会
小川有閑 (大正大学地域構想研究所BSR推進センター研究員)
登壇者
◇福井良應さん おてらおやつクラブ
NPO 法人おてらおやつクラブ理事、大阪芸術大学・大阪経済大学非常勤講師
真言宗御室派興山寺副住職。仁和密教学院を卒業後、慶應義塾大学を経て、株式会社博報堂入社。マーケターとしてブランディング、商品開発、コミュニケーション設計に従事。2018 年博報堂退職後、現職。2018年度グッドデザイン賞大賞受賞。
◇近藤玄純さん SOCIAL TEMPLE
(一社)SOCIAL TEMPLE 代表理事、日蓮宗妙性寺住職、超宗派仏教徒「坊主道」代表。2016 年⼭梨県内の超宗派の 僧侶グループ「坊主道」を⽴ち上げ、お寺版⼦ども⾷堂「寺GO 飯」、HP 制作を通した寺院活性化⽀援「お寺の活性化計画」、 ⾏政書⼠との連携による終活支援プログラム「ゆくすえサポート」、仏教・お寺メディア「お寺のじかん」を運営。
◇東海林良昌さん
1970年宮城県塩竈市生まれ。佛教大学文学学研究科修士課程修了。東北大学文学研究科博士課程後期単位取得退学。小学生の時に社会奉仕する大人の姿にあこがれを持ちボーイスカウトに入る。浄土宗宗議会議員、WFB(世界仏教徒連盟)副事務総長、介護者サポートネットワーク・ケアむすび代表、佛教大学非常勤講師、浄土宗総合研究所研究員、雲上寺副住職。
◇松﨑香織さん
一般社団法人未来の住職塾 理事。米国Fish Family 財団 JWLI (Japanese Women’s Leadership Initiative)フェロー。銀行で役員秘書を10 年務めた後、2014年より未来の住職塾ならびに塾生コミュニティ(現在約630名)の運営に携わる。第33期全日本仏教会広報委員会委員、WFB(世界仏教徒連盟)日本センター運営委員会委員。「次世代のお寺の女性を考える会」を塾生の仲間たちと各地域で開催。