『お寺の掲示板』が本になりました!

私事で大変恐縮ですが、9月26日に新潮社から『お寺の掲示板』が発売されることになりました。これはダイヤモンド・オンラインで現在連載中の『お寺の掲示板の深~いおことば』をまとめたものです。

この連載も気が付けば50回をすでに超え、おかげさまでいまではダイヤモンド・オンラインの最多連載コンテンツになっています。これがはじまったのは昨年の9月頃、知り合いのダイヤモンド社の編集者に「ダイヤモンド・オンラインに一回で良いので掲示板大賞の紹介や告知をさせていただけませんか?」とお願いしたことがきっかけでした。ちょうどそのころ「お寺の掲示板大賞」への投稿数が減少傾向にあったのです。

はっきり言ってダメもとのお願いだったのですが、その編集者さんから「10月1日~31日まで毎日連載の形でやりましょう!」という全く想定していなかった返答がわたしのもとに届き、そこから突然連載執筆生活が始まりました。

10月1日スタートにも関わらず、連載を行うこと自体が9月25日に決まるという謎のスケジュール。まったく準備することもできず、多くの仕事を抱えながら、今となっては「1か月間なぜ連載が止まらなかったんだろう?」と不思議でなりません。毎朝4時に起きて夢中で書き続けた結果、なんとか穴をあけずに無事に終了し、現在もありがたいことに週に1回のペースで書かせて頂いています。

掲示板大賞の作品を見たことがある方は既にご存知だと思いますが、標語には「芸能人のことば」や「歌の歌詞」などさまざまなジャンルの言葉がでてきます。「お寺の掲示板」はご住職さんたちがフリースタイルで教えを表現する場所ですので、それぞれのお寺の掲示板の言葉をどのような気持ちでご住職が書かれたかについていつも頭を悩ませながら、ずっと文章を書かせて頂いています。

また、ダイヤモンド・オンラインというメディアの特性もあり、最初から一貫して「仏教のことをまったく知らないビジネスマンが朝の満員電車の中でスマホで読む」というコンセプトで書かれています。今回書籍化するにあたって、連載の文章にかなり加筆修正を加えていますので、連載を読んでいた方も新しい感覚で読んでいただけるのではないかと思います。

編集に関しては、以前彼岸寺にも出られたことがある新潮社の仏壇編集者の異名を持つ金寿煥さんが担当してくださいました。また帯書きには大変畏れ多いことに、私が最も尊敬する釈徹宗先生に書いていただいております。本当に有難うございました。

そしてなによりも掲示版を書かれた寺院関係者のみなさま、撮影者の方々の大変暖かいご協力がなければ、絶対にこの本ができることはありませんでした。心より深く感謝申し上げます。

『お寺の掲示板』を読んで、ぜひ多くの方々に掲示板の世界に足を踏み入れていただければと思います。価格も1000円とお求めやすい値段になっています。よろしくお願い致します。

浄土真宗本願寺派僧侶。1976年生まれ、福岡県出身。早稲田大学社会科学部・第一文学部東洋哲学専修卒業。早稲田大学文学研究科東洋哲学専攻修士課程中退。 築地本願寺内の(一社)仏教総合研究所事務局に勤務の後、2011年~2017年までドイツ・デュッセルドルフのドイツ惠光寺において、ヨーロッパ開教や日本文化を発信する事業に携わる。2017年より(公財)仏教伝道協会に勤務。 2018年に「輝け!お寺の掲示板大賞」を企画し、話題を集める。著書に『お寺の掲示板』(新潮社)。連載に「「お寺の掲示板」の深~いお言葉」(ダイヤモンド社「ダイヤモンド・オンライン」)などがある。