2024年 新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

旧年中は彼岸寺へのお参り、誠にありがとうございました。おかげさまで彼岸寺もそのはじまりから20年の節目を迎え、そこからまた一歩という年となりました。また本年もゆるゆると仏教にまつわる情報を発信していけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

さて、今年も一年のはじまりに皆さまへのお年賀代わりのご挨拶ということで、「自ら悪を為すならば、自ら汚れ、自ら悪を為さないならば、自ら浄まる」という言葉をご紹介いたします。

こちらの言葉は『ダンマパダ』にある一節で、「悪を為すことは自らを汚すことであり、悪を為さないことは自らを浄らかに保つ」ということを教えてくれる言葉です。

当たり前といえば当たり前のことですが、しかし昨年一年を振り返りますと、この当たり前のことが如何に難しいことであるのか、と痛感せずにはおれない一年だったのではないでしょうか。

それでは私たちは他者の「悪」を目の当たりにした時に、どのように振る舞うでしょうか。厳しい眼差しや批判の言葉を向ける、というのがごく自然な振る舞いだと思いますが、この言葉にはこう続きがあります。

浄いのも浄くないのも、各自のことがらである。人は他人を浄めることができない。

残念ながら「他人を浄らかにすることはできない」とブッダは示します。もちろん、批判によって「悪を為している」ことに気づかせるということはできるでしょうから、批判が無意味ということではないと思います。しかし、結局はその人がどう行動するか、でしか変わることはありません。そういう意味では、各自の事柄、人がどう行動するかによって、汚れてしまうか、浄らかであれるのかということが定まってくるということになります。

そしてそれは、誰よりも私自身が心がけなければならないことです。「仏はひとり我がために法を説きたもう。余人のためにはあらず」という言葉もありますが、ブッダの言葉をしっかりと自分に向けてこそ、その教えは意味をなすものです。

なかなか実践することは難しい教えではありますが、今年一年大切にしたい言葉としてご紹介をいたしました。

どうぞこの2024年が皆さまにとって善き一年になりますように。

彼岸寺一同

合掌
2024年 元旦

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