他人の噂話禁止

今週からラジオ番組「Round up world now」のニュースヘッドラインからいくつかの所感を記すことにします(末尾に動機を書きました)。

Round up world now
http://www.radionikkei.jp/roundup/

>みずほ・ゆうちょ・地銀、仮想通貨「Jコイン」創設へ 円と等価、仲間同士や企業との間で自由に決済
「なぜ家では不要だった通貨を、みんな必要とするようになるのか」幼い頃から不思議だった。仮想通貨が浸透して、ほんとは通貨自体いらなかったと気づく。社会全体が「家」にかえるきっかけに。生きているうちに、最新の技術もその領域まで退歩できたら面白い。御布施をお坊さんだけにとどめるのはもったいない。

>田村観光庁長官、今年の訪日客「今月15日時点で2000万人突破」 団体が多かったアジアから個人も
遠方より来客があると嬉しい。例えその客が一円も「通貨」を落とさなくても心から歓迎できる状態を維持するには。「どうやってたくさんの人に来てもらうか」より「どうやってその気がない人に遠慮してもらうか」を工夫する方が難しい。「一見さんお断り」のような国になった方が日本の魅力は増すのでは。

(以下、動機です)

先月から本気で語学を勉強している。今まで何度本気になったかわからないが、今回は本気に本気だ。

今試している主な勉強方法はラジオを聴くことと、ドイツ語の絵本を読むこと。今日からそれにもうひとつ、自分の意見を言葉にする訓練も加えてみようと思う。

10年前の2007年、村上光照老師と一緒に摂心で欧州を訪れる機会を頂いた。

村上老師は耳に入る英語をほとんど理解しているように見えたし、日本語を英語に置き換えることにも長けていた。しかし自ら英語で話すことは通訳にまかせ、ほとんどすべて日本語で皆に語りかけていた。

「何かを言葉で表現する力」と「言葉にされた何かを体現する力」は全く別ベクトルなのだ。

「禅に言葉はいらないー」

この時私は強くそう思った。のがいけなかったのだ。
地球上のどんな場所でも通用する禅の普遍性を確信するのは勝手だが、外人局では門前払いだ。

「なぜドイツに来たのか?」

「これからどうしたいのか?」

たとえ私が「メシ、フロ」しか話さない寡黙なオヤジであっても、外人局では言葉にしなければいけない。流暢に会話を楽しむ社交的なオヤジを演じられること「も」異国の地に住む必要条件なのだ。

そこで私もそんなオヤジになるべく、「他人の噂話」について暫くの間、綴ってみようと思う。

まずは「Round up world now」のヘッドラインニュースを中心にいくつかの所感を書くことにする。

この番組に出会ったのは2011年。ベルリンに渡っても世間様の情報にも触れておかねばと検索してトップで表示された。この番組の素敵なところは、伊藤洋一さんというイチ個人が飾らぬコメントをしていくところだ。

コメントの方向性については、私のもつそれと正反対なことも少なくない。しかし不思議なことに毎週聞いているうちに伊藤さんに好感を持つようになり、今ではすっかりファンになってしまった。

それというのも伊藤さんのコメントは徹頭徹尾「私はこう感じた」というもので、おしつけがましいところが一切ないからだ。全く違う意見を持つ人でも「この人に会ってみたい」と思わせてしまう人間力。というのは言い過ぎか。

もし直接お会いする機会があり、永住権が頂けたのは伊藤さんのおかげです、と感謝の言葉を伝えることができたら最高だ。

そんな個人的でミーハーな願望からニュースの所感を試書する次第である。

平成二十九年九月二十六日 星覚九拝

 

雲水