読経前に緑茶はNG!?

今の時期、ご門徒さんのお宅に報恩講のお参りに毎日伺わせていただいています。お参りの前に、お袈裟を付け替えたり衣の着替えをするのですが、その時に緑茶を出していただくこともしばしばあり、私も読経に臨むにあたって、しっかり喉を潤しておこうとお茶を頂いてからお勤めを始めます。

ところが、どうも読経の前に緑茶を飲むと、なんとなく声が出にくくなるような気がするのです。なんと言いますか、お茶で喉を潤したはずなのに、かえって口の中が渇いたような感じがしたり、緑茶の粉が喉に引っかかって声がかすれる、そんな感覚です。
まあ私の声の出し方が悪かったり、たまたま唾液が少なかったり体調の問題かな、と思っていたのですが、先日Facebookに「お参りの前に緑茶を飲むと、声出にくくなる気がするのは私だけ?」と書き込むと、お坊さんの皆さんからたくさんの反応がかえってきました。いただいた反応の多くが、やはり読経前の緑茶は、声を出すのには良くないというものでした。これは私にとってかなり衝撃的な事実でした。そしてなぜだろう?という疑問も湧いてきました。
そこで調べてみると、どうもカフェインが入った飲み物は喉にはあまり良くないようです。カフェインには利尿作用があり、口内や喉の水分を吸収させてしまったり、唾液の分泌を抑制するはたらきもあるのだとか。私が緑茶を飲むと、なんだか口の中が渇くと感じていたのは、どうもそのせいのようです。そう言えば、コーヒーを飲んだ時にも、口の中が渇く感じがします。
お坊さんたちの意見では、烏龍茶も喉にはあまり良くない、という声もありました。カラオケに行った時にドリンクバーでつい飲みがちですが、あれも実は歌を歌うのには不適当だったのかもしれません。そして喉を潤すのに良いのは水や白湯が良いという意見もいただきました。お茶もほうじ茶であれば、緑茶よりは大丈夫なんだとか。
とは言え、やっぱりお茶を出してくださるのは、おもてなしの心からのものですから、大変ありがたいものであることは言うまでもありません。その丁重なおもてなしの心を無下にしないように、私も普段から喉のケアを怠らないようにして、声の調子を調えておく必要がありそうですね。

不思議なご縁で彼岸寺の代表を務めています。念仏推しのお坊さんです。