人気沸騰中の『月刊住職』を丸ごとレビュー!

いま『月刊住職』がブームです!

つい先日もフジテレビ「めざましテレビ」の専門誌特集の中で『月刊住職』が紹介され、それを見た人が次々にTwitterで「気になる」「読みたい」「月刊住職www」「ジワジワくる……」などとつぶやきが広がりました。その前にも、まとめサイトで話題になっていました。

▼【NAVERまとめ】そんなのあるんだ…お坊さんの専門誌『月刊住職』が話題に
http://matome.naver.jp/odai/2139910602290267601

いろんな業界の専門誌は数あれど『月刊住職』という書名のインパクトに加え、その見出しが週刊誌のようで面白いと評判になっています。しかも編集長は高野山真言宗のご住職、1974年創刊から40年もの歴史があるなど、お坊さんではない一般の方にとっては驚きの連続だったようです。

そういう私も『月刊住職』を定期購読しています。何を隠そう、前身の『寺門興隆』時代からの愛読者で、毎月郵送されてきては早速に目次ページを確認し、面白そうな見出しを見つけてニヤリとしています。そんな密かな楽しみがバレてしまったようで、この突然のブームに戸惑っています(笑)

戸惑いつつも、せっかくですからブームに乗って、『月刊住職』最新号の2014年6月号(Vol.479)をレビューしてみたいと思います! 気になる見出しをピックアップしていきますね。

<特集記事>
■ 対岸の火事にあらず「老朽化が激しい庫裡改築の寄付金が元で寺檀が対立して裁判にもつれた真相」

山形県の寺院は築54年でボロボロの庫裡の改築を計画した。ところが寄付金をめぐり檀家の一部が猛反発。住職を糾弾するビラを多数配り、一人は傷害事件も起こした。さらに住職に不信感を募らせる門徒は帳簿類の閲覧を請求、住職が拒むとついに争いは法廷に持ち込まれた。紛争の現場ルポ。(月刊住職)

→ まずは注目の裁判モノ。住職と檀信徒、お寺と墓地開発業者、お寺と所属宗派など、裁判沙汰になって損害賠償請求が出されたりするような事件が、毎号必ずと言っていいほど掲載されます。決して争いを望む人はなく、平和的に解決したいのはやまやまですが、やむを得ず裁判に至るというリアルなケースが報告されます。今号にはこの他にも紛争モノが数件あります…

■ 納棺師や湯灌師や看取り士やエンバーマーが登場「人の死後荼毘に付されるまでに関わる職業が増えている理由」

納棺師、湯灌師、エンバーマー、看取り士。いずれも遺体にかかわる職業だが、いまこうした専門家が葬儀現場で急速に増えているという。なぜなのか。増加の背景、それぞれの遺体処理の詳しい手順、費用、遺族のニーズなどを取材した。(月刊住職)

→ 映画『おくりびと』以来、納棺師をはじめ死にまつわる職業が急増しました。多死化社会に向けて多様化するサービスについて、さまざまな職業・技術・資格・費用などがレポートされています。

■ 震災宮城県で宗教者が見聞した心霊現象を調査「霊に取り憑かれた人に僧侶はどう向き合うか」

仮設住宅で暮らす60代の男性は東日本大震災以後、霊に憑りつかれているという感覚が続いた。相談に乗った曹洞宗住職が位牌の前で般若心経を唱えると、楽になったという。20代女性は「身体の中にいろいろな人の霊が憑りついて苦しい」という。住職はどのようにして彼女の憑依を解消したのか。「霊」に悩む人々に宗教者ができることとは何か。(月刊住職)

→ 被災地に限らず「霊が見える」「占ってもらったら先祖の霊が成仏していない」などの質問を受けることがあります。そういった問題にどう答えるか、霊に取り憑かれた人とどのような問答が成立するか、さらには霊問題は精神科医と宗教者のどちらの領域か、など真面目に検証されています。そして宗派別にまとめられた心霊現象に対するアンケート調査の回答も見逃せません。

■「近ごろお線香が値上がりしているって本当か」

お線香の原料の沈香や伽羅、白檀などの高騰が著しい。お線香の値上げに踏み切ったメーカーもある。何が原因なのか。線香業界に取材をすると興味深い事実が見えてきた。(月刊住職)

→ スーパーでも100円ショップでも売っているお線香ですが、高価なお線香は本当によい香りがします。せっかくのご供養ですから、ある程度の価格のお線香を使うことをお薦めします。しかし、原料となる香木の価格が高騰し、投機の対象になっているとか。その原因を探ります。

<ショートルポ> は短いトピックながらも非常に気になりますね。

■ 宗教法人の8割超に税金「不正蔓延」の報道の真偽
■ 細川護煕元首相自らが描いた水墨画襖絵の大作を臨済宗建仁寺派大本山建仁寺の塔頭・正伝永源院に奉納したわけ

<連載>
■ パーソナルブッディズム〔20〕「人様を癒す難しさ」小池龍之介(正現寺住職)

→ 松本さんと同級生の人気作家、小池龍之介さんも絶賛連載中です! 今回は「人から相談を受ける時に自分が疲れていると悪影響を及ぼしてしまうかも知れない、それってお坊さんとして義務違反?」というお話です。

■ なんたって寺族の言い分ほんねの記〔140〕「仏の子にとってもお寺に休日なんてありません!?」鏡島眞理子(曹洞宗住職夫人)

→ 住職夫人ならではの本音、お寺の裏側がつづられる連載。今回は「住職夫人はお寺に休日がないことを納得しているけど、子供はどうなのか?」という切実な話題です。

■ いまさら師匠に聞けないこと〔30〕「尼になりたいと言われたら!?」仙田陽高(真言宗豊山派住職)

→ お檀家さんやご近所さんが突然「尼になりたい」と言ってきたら、どう答えますか? 分かりませんよね? ならば必読です!

以上、いかがでしょうか? 他にも気になるトピックが目白押しです。興味の湧いた方はぜひ近所のお寺さんを訪ねて見せてもらってください。もし『月刊住職』がなくても、他のお寺業界紙・パンフレット・チラシなどがあると思いますので、お寺の奥深い世界に触れてみるのも面白いと思います。

※ 次号『月刊住職』の7月号はさらに注目!? ここだけの話、松本さんらが登場するかもしれませんよ。

1977年、奈良県天理市・善福寺の次男として誕生。ソニーを退職後、2007年に僧侶となる。2015年、善福寺第33世に晋山し、和文のお経をオススメ。2014年から、おてらおやつクラブ事務局長を務め、お寺の社会福祉活動にコミット。1男2女1猫の子育てに励む。趣味はランニングと奈良マラソン。音痴と滑舌が課題。