新年あけましておめでとうございます。
旧年中は彼岸寺へのお参り、誠にありがとうございました。また本年も様々な仏教界の情報を時に楽しく時に真剣に発信していけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
今年も皆さまへのお年賀代わりのご挨拶ということで、「世の中安穏なれ」という言葉を引用いたしました。こちらの言葉は浄土真宗の開祖・親鸞聖人のお手紙の中に「世の中安穏なれ、仏法ひろまれ」という言葉として出てまいります。
私たちが今生きるこの21世紀。パンデミックや戦争が起こり、あるいは政治家が殺害されるような社会になると誰が想像したことでしょうか。昨年末には「徹子の部屋」に出演されたタモリさんが「新しい戦前」という言葉を使い警鐘を鳴らしたように、世界、そして日本の行く先に、暗雲が垂れ込めているように感じる人も少なくないことでしょう。
この言葉を残された親鸞聖人が生きられた時代も、不安定で混乱の時代でした。今年はちょうど親鸞聖人がお生まれになって850年の年に当たりますが、親鸞聖人が生きられたのは、ちょうど昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で描かれた、あの時代です。
戦乱、災害、飢饉、疫病。次々にやってくる不条理に翻弄される世界の中で、「世の中安穏なれ、仏法ひろまれ」という願いこそ、念仏者、あるいは仏教と共にある人の目指すべき道として親鸞聖人が示された。それは、当時だけに当てはまることではなく、今においても尚、私たちの願いとなり、指針となる言葉であるように感じられます。
共に仏法に耳を傾けながら、誰もが安心して人生を歩んでいける、そんな一年としていきたいものですね。
この2023年が皆さまにとって善き一年になりますように。
彼岸寺一同
合掌
2023年 元旦