須磨寺副住職・小池陽人さんに聞く「やってみてわかった!YouTubeで法話を配信する意味」

初めまして。私は神戸市須磨区にあります、真言宗須磨寺派大本山須磨寺の寺務長・副住職を務めております小池陽人(こいけ ようにん)と申します。この度彼岸寺様にご無理をお願いして、私のYouTubeチャンネルのご紹介をさせて頂くことになりました。思えば十年以上彼岸寺様のサイトを閲覧させていただいてきた身からしますと、寄稿させていただくことができて感慨無量であります。どうぞよろしくお願いいたします。

動画で人を感動させたい×仏教の教えを広めたい

さて、この度ご紹介させていただきます私の動画は、昨年の六月に始めました。きっかけは、以前からお世話になっておりましたウェブ制作会社のマネージャーさんから、「小池さんの法話のYouTubeチャンネルを作らないか。」とお誘いをいただいたことです。


はじめてつくった法話の動画

動画で人を感動させたいという彼の夢と、仏教の教えを広めたいという私の思いとの両方を叶えることができたら、どんなに素敵だろうと思いました。しかし、浅学非才である私の、法話や説法とはとても言えないようなつたない話を配信することで、どんな批判があるか不安もありました。特に同じ仏教界のお坊さんたちから、どのような反応があるのか不安でした。

不安よりも、伝えたい気持ちの方が大きかった

今日、日本では、お寺、お坊さん、仏教と関わるのはお葬式の時か法事の時だけという方がほとんどかもしれません。仏教は亡くなった後の為の教えだと思われている方が多いのではないでしょうか。家に仏壇はなくなり、墓じまいなどが増え、以前よりも仏教は生活から遠のいている気がしてなりません。けれども、お釈迦様や真言宗の宗祖である弘法大師様は、まさに「今、この苦しみ多き人生を如何に生きていくか」その為の智恵を説かれています。私自身も、仏教の教えによって、物事の考え方、見方が変わり、楽になることがたくさんありました。始めることに当たっての不安よりも、私なりにその教えを伝えたいという思いが強く、その思いのままYouTubeで法話の動画配信を始めることにしました。

「動画を見るとお参りした気分になれる」

まだ始めてから一年にもなりませんが、嬉しい反応もたくさんいただきました。入院中の娘さんに私の動画を見せると、娘さんが喜んで下さり「退院して須磨寺にお参りしたい」と言って療養に努めていると話して下さった信者さんがおられました。そして、高齢でお参りできなくなった檀家さんからは「動画を見てお寺にお参りした気分になれるから有難いです。」とのお言葉も頂きました。お寺まで足を運べない方に伝えることができるというのも、この動画配信の大切な意味なのだということに気づかされました。


法要の様子なども動画で紹介しています

これからも精進して、出来るだけ続けていきたいと思っています。多くの方にとって仏教が人生の良き道標となり、支えとなることを願ってやみません。そして、この動画配信がその一助となれば、これ以上の幸せはありません。

平成三十年一月吉日
小池陽人

YouTubeチャンネル「須磨寺小池陽人の随想録」

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