A.あります。
ミャンマーでの出来事ですが、軍事政権の横暴によって尊い人命が虐げられているのは、大変心苦しい事であり、亡くなられた方々には、謹んで哀悼の意を表します。
さて、お坊さんが政治に関わる事があるのか、という質問ですが、答えは「ある」です。今では、政教分離が日本の政治の原則としてあり、国家が特定の宗教団体に対して援助したり圧迫したりすることは禁じられていますが、かつては日本の政治と仏教は深く結びついていました。聖徳太子の頃や、奈良・平安時代では、朝廷が仏教を用いて国家の安定を図ろうとしていたため、仏教が保護され、僧侶が政治に対して影響力をもっていたことは、想像に難くないでしょう。
他にも歴史を紐解けば、徳川幕府成立時に、天海という僧が政治に関わっていたり、一種の知識人として近代以前では、お坊さんが政治に関わることは少なからずあったようです。
しかし現代では、先ほども書いたように政教分離の原則がある為に、お坊さんが政治に大きく関わるということは、それほどありません。とは言え、国会議員として活躍されているお坊さんもおりますし、国家の政策に対して、抗議を行なうなどのアクションを起こすこともありますので、今でも政治に全く関わりを持たない、というわけではありません。
僧侶と言えば、俗世から離れた存在として考えられがちです。もちろん、世を捨て一人山に篭り修行されたお坊さんもおりますが、権力の中枢と積極的に関わった怪僧もおりました。しかし、ただ自らの道や利益だけを求めるのではなく、世の人々の為に救いの道を説こうと、実社会に深く根ざしたお坊さんもたくさんおられます。ですから僧侶は、決して社会と隔絶した存在ではないのです。
同じように、現代でも僧侶も社会の一員として役割を果たすべきであると考えられております。ですから、その延長として、僧侶も政治と関わることが必要な場面もある、ということでしょうね。