お坊さんにリクエストして場をつくってみる

さくら吹雪の舞う土曜日の朝、鴨川のたもとで『アウトドア坐禅ワークショップ』を開きました。今回坐禅指導をお願いしたのは根本紹徹さん。自殺問題に取り組んでこられて、昨年は正力松太郎賞(青年奨励賞)を受賞し、インドで開催された国際仏教者会議に日本代表として出席されるなど、活躍の場を広げておられるお坊さんです。

雨が降っていたにも関わらず、東京、名古屋、岐阜、兵庫など遠方から来てくださった方もいて、12名の参加者で坐禅をさせていただきました。坐る坐禅、動く坐禅をした後は、グループに分かれて感想をシェア。その後、知る人ぞ知るモダン焼きの聖地『モダン焼ふじ』でユニークすぎるモダン焼きを食べながらなごやかにランチを楽しみ(全員で!)、さらに時間のある人たちで下鴨神社にお参りして散会。はじめて会った人同士とは思えないほど居心地のよい時間を過ごさせていただきました。また、ゲリラ的にアウトドア坐禅会を続けたいなと思います。

このごろ、「『坊主めくり』を通してお坊さんを伝えたい」から、「出会ったお坊さんと一緒に何ができるだろうか?」へと私のテーマがシフトしています。たとえば、根本さんと出会ったのは2年半前の『坊主めくり』インタビューでしたが、その後ずっとおつきあいが続くなかで「根本さんに坐禅を教わってみたい」という気持ちになったりするんですよね。

わたしたちからお坊さんにリクエストしてつくる場には、お坊さん自らがつくる場とはまたちがった面白さや良さがあるように思います。「お坊さんからの呼びかけ」に応えるだけじゃなく、「お坊さんに呼びかける」ことが増えていけばもっともっと仏教がライブするんじゃないでしょうか。

「今度、近くの公園で子どもたちと坐禅してあげてください」とか、「木魚の叩き方レッスンをお願いします」とか、「大きな声でお経をよんでみたいです」とか、「声明を聴かせてください」とか。身近なお坊さんに、ちょっと知りたい気持ちを伝えてリクエストしてみてはいかがでしょう?

仏教に関するアクションが双方向に起きてくると絶対に面白いことになるはず。そんなことを考えていると、ついついワクワクしてしまいます。わたしも、いろんなことをお坊さんに持ちかけて新しい場づくりにチャレンジしてみます!

お坊さん、地域で生きる人、職人さん、企業経営者、研究者など、人の話をありのままに聴くインタビューに取り組むライター。彼岸寺には2009年に参加。お坊さんインタビュー連載「坊主めくり」(2009~2014)他、いろんな記事を書きました。あたらしい言葉で仏教を語る場を開きたいと願い、彼岸寺のリニューアルに参加。著書に『京大的文化事典 自由とカオスの生態系』(フィルムアート社)がある。