彼岸寺ゆかりのお坊さん二名の新刊が発売!『気になる仏教語辞典』と『西洋お寺ごはん』

彼岸寺ともゆかりの深いお坊さん二名の著書が11月に発売されました。一つは消しゴムはんこのお坊さんとしても知られる麻田弘潤さんの『気になる仏教語辞典』、そしてもう一つは料理僧として活躍される青江覚峰さんの『西洋お寺ごはん』です。

イラストもユーモアもてんこ盛り!『気になる仏教語辞典』

麻田さんの描くイラスト。仏さまがジーン・シモンズ!?

麻田さんの新著『気になる仏教語辞典』は、その名のとおり、仏教にまつわる言葉を麻田さんが解説してくださる、辞典形式の一冊。「辞典」というと堅苦しいイメージもありますが、この本は表紙を見ていただいてもわかるとおり、カラフルでポップなつくり。

辞典よろしく「あ行」から「ら行」にわたって、いろんな仏教語が紹介されておりますが、どの言葉も丁寧でわかりやすく解説されており、また麻田さんがご自身で描かれるゆるーいイラストが実にユーモラスで、難解な仏教語にも親しみやすく触れられます。

そしてページをめくっていくと「え?」と驚く言葉にも出くわします。一見すると、仏教とはなんの関係もないのでは?と思う事柄も、実は仏教と関係していたり、お坊さんにとって欠かせないものだったりと、麻田さんならではのキラリと光るセンスがそこかしこから感じられることでしょう。どんな言葉が飛び出すのかは、本を開いてのお楽しみ。

さらには「名僧と麻田」と題されたコーナーでは、麻田さんと四名のお坊さんとの対話が掲載。大原三千院門主・堀澤祖門さんや、仏教学者の釈徹宗さん、禅僧・藤田一照さん、そして彼岸寺の開基・松本紹圭とも仏教についていろいろお話されています。名僧にも臆することなく肩を組める麻田さん……さすがです。

他にも彼岸寺で連載もいただいた「ファサー住職」こと松崎智海さんが登場していたり、わたくしケンユウもこっそり登場していたりと、彼岸寺ファンにとってもたまらない(?)仕上がりとなっております。

難しいイメージのある仏教を、できるだけ楽しく学ぶために。そんな思いがふんだんに施され、麻田さんの優しさまでも伝わってくるような一冊です。

「お寺ごはん」はユニバーサルデザイン!『西洋お寺ごはん』

お寺のラタトゥイユ。彩り美しくおいしそう!

続いて青江さんの新著は『西洋お寺ごはん』。料理僧・青江覚峰がブレイクするきっかけとなった『お寺ごはん』の続編にあたるこの書では、精進料理=日本料理という枠組みを離れ、さまざまな国の料理を精進料理としてアレンジし、その可能性を大いに広げるものとなっています。

グローバル化が進む時代にあって、宗教や食習慣などの多様性を認めることが求められる中で、最も食の制限が厳しいと考えられる精進料理は、世界中のどんな人でも安心して食べることができるグローバルデザインな料理であると、青江さんは語ります。

またつい捨ててしまいがちな部位にまでもしっかりと向き合うことで、できるだけ無駄を出さないという精進料理の考え方も、フードロスなどの問題への有効なアプローチであるとして「お寺ごはん」は注目されてきているとのこと。レシピだけではなく、青江さんが語られる調理することや食べることについての思いからも、「いただく」ということの意味を改めて問い直されることでしょう。

そんな世界の時流ともつながる「お寺ごはん」。「飛龍頭(ひりゅうず)」や「けんちん汁」など、なじみのある和食はもちろんのこと、スペインのソウルフードと言われる「パタタスブラバス」、フランスのお惣菜「ラタトゥイユ」など、実に色とりどりなラインナップ。また料理は季節によって分けられており、四季折々の食材の旬を味わうことにも心砕かれています。

個人的に気になったのは、イタリアの食材ポルチーニを使った料理。乾燥ポルチーニを使った炊き込みご飯など、和食とどのような化学反応を起こすのか、とても興味深いところです。

どの料理も基本的にはとてもシンプルで作りやすいものばかり。食欲の秋、この一冊でいろんな「お寺ごはん」にチャレンジするとともに、精進料理に込められた仏教のエッセンスも味わってみてはいかがでしょうか。

読書の秋。書店でこの2冊に出会われた時には、ぜひお手にとってご覧いただければと思います。

日下 賢裕

不思議なご縁で彼岸寺の代表を務めています。念仏推しのお坊さんです。