彼岸寺の登場は、仏教史に残るもの

半坊主・半イラストレーターをしている中川学です。彼岸寺リニューアルの際、バナーのイラストを描かせていただきました。それが2017年ですから、それからでもすでに5年。そしてこの度20周年を迎えられるとのこと、月日の経つのは早いものですが、その間、この画期的な「お寺」を維持管理し続けてこられたみなさんに心から敬意を表します。

思えば、僕が「坊主めくり」コーナーで彼岸寺さんに取材していただいたのが2009年。あの頃はまだまだ仏教界は旧来の布教・活動が中心で、各寺様々な試みが行われていたとは思いますが、宗派の外にはあまり聞こえてくることもありませんでした。そこに彼岸寺さんの登場で、ああ世の中にはこんなにユニークな活動をしているお坊さんがいるんだ!と急に目の前がひらけたように思いました。今、たくさんの若いお坊さんたちがそれぞれの地域で、宗派を超えて、柔らかい発想で面白い取り組みをされているのをよく目にするようになりましたが、それは彼岸寺さんの登場無くしては語れないものだと思います。仏教史に残る出来事ですよ。間違いなく。

宗派や僧俗を飛び越えてつながることができて、そこで語られることから新しい仏教の取り組みが相乗効果で生まれていく場。そんな理想的な道場であり続けてほしいなと思って、リニューアルのバナーの絵を描かせていただきました。お坊さんも、一般の人も、仏様たちも一緒に、思い思いに儀式をしたり法話を聞いたり、相談したり、瞑想したり、そうじをしたり、だらだらしたりできる場所。そんなお寺があったらいいなあと思いながら描きました。

20年前に比べて、世界はより混迷の度を深めていますが、これからこそ仏教の出番だと思いますし、その仏教は彼岸寺さん的なゆるやかな仏教に違いありません。これからもそんな仏教を育む場であり続けてほしいと思います。

彼岸寺は、仏教とあなたのご縁を結ぶ、インターネット上のお寺です。 誰もが、一人ひとりの仏教をのびのびと語り、共有できる、そんなお寺です。