雪の色

雪が積もると、昔、母にされた質問を思い出します。それは「雪って何色に見える?」というもの。皆さんなら、なんと答えますか?多くの方が、「白」と答えるでしょう。私ももちろん、「白」と答えました。

ところが母からは意外な答えが返ってきました。「雪は青にも見えるんだよ」というのです。それを聞いた瞬間、私は「そんなバカな」と思いました。雪はどう見ても白い色をしているからです。そんな私を見て母は、「じゃあ雪に少し穴を開けて覗いてごらん」といいます。私は言われた通りに積もった雪を掘り、その中を見てみました。すると、確かにその穴の中の雪はほんのりと青く見えたのです。

なぜ雪が青く見えるのでしょうか。それは、空が青く見えたり、海が青く見えたりするのと同じことだと思います。けれど雪=白の固定観念があるので、なかなか雪が青だとは思えませんし、普段そうは見えません。けれどちょっと視点を変えると、見え方が変わってくるのです。

私たちが「当たり前」のように見ているこの世界や、今自分の置かれた状況も、実はちょっと視点を変えるだけで、違った側面が見えてくるのかもしれませんね。

不思議なご縁で彼岸寺の代表を務めています。念仏推しのお坊さんです。