流行れ「花まつり」、流行れ「仏教」!

お釈迦様の誕生を祝う花まつりは何月何日?
A. 1月8日  B.2月8日  C.3月8日  D.4月8日

さあ、どれでしょう?ファイナルアンサー?

クイズミリオネアというテレビ番組をおぼえておられるでしょうか?みのもんたさんが司会を務め一時期とても流行ったクイズ番組です。解答者は司会者が出題する4択方式による全15問のクイズを答えていき、最終的には多額の賞金を得ることできるというルールです。賞金は小額から始まり、その際出題される問題はごく簡単なものです。しかし賞金が上がるにつれ問題も難しくなっていきます。そして先ほどの問題はこのクイズミリオネアに実際に出題された問題です。この記事を見ておられる方は皆さんであればその答えはお分かりと思います。しかし、この問題が出された時の賞金額は、たしか100万円を越えていました。つまり、私達にとっては常識と思っているこの問題は、世間では高額の賞金がもらえるクイズになるくらい認知度の低いものなのです。しかしこれはとてももったいないことと思います。なぜなら、「花まつり」ほど各宗派が共通意識を持って取り組むことのできる仏教行事はないからです。

実は、私の地元では有志とともに宗派を越えた活動を目指す会を2年前に立ち上げました。知名度も活動内容も無いに等しく、「お寺超会議」という名前からしてふざけた会ですが、まずはその一歩として地味な活動に手を出そうとしています(活動しているとは言っていない)しかし、宗派を越えた活動を行うことでもっとも大きな壁となるのが実は教義です。同じ仏教の教義でありながら、その教義が活動の妨げになるというおかしな話ですが、それぞれの見解が違うので無理もありません。ここで具体的な話に言及してしまうと怒られそうなのでしませんが、宗派を越えて活動するというのは中々難しいものです。そんな中で宗派を越えた共通項としてあるのが「お釈迦様」の存在です。

そしてその「お釈迦様」の誕生を祝うのが「花まつり」です。どのような仏教宗派であれ仏弟子としての活動であるわけですから、同じ師を持つ兄弟として「お釈迦様」の誕生を祝うということは、互いのつながりを作る大きなきっかけになるはずです。消去法で残ったようで後ろ向きな理由ではありますが、私は「花まつり」に大きな期待を寄せています。現在、私が住職をさせていただいている永明寺では「シャカフェス」と題していわゆる「花まつり」を行っています。「フェス」とは名ばかりで規模の小さなものですが、できれば「花まつり」を超宗派で行い、仏教を知らない人でも注目せざるを得ないくらいの規模のイベントをいつかやれたらと思っています。

 

少し話は変わりますが、最近私はベトナムの方に関わることが多くなりました。この辺の経緯はいつか書きたいなぁと思っていますが、ご存知のようにベトナムは北部を中心として仏教が盛んです。ベトナムの寺院を訪れた際、驚いたのは若者の多さです。日本のお寺では40〜50代の人が若手と言われますが、おそらく日本のお寺で見かけたら「感心だねぇ」とお年寄りからお小遣いもらえるレベルの若さです。もちろん観光などではなく、それぞれが仏様の前でひざまずき崇敬の念を体全体であらわします。若い人がお寺に来ないと嘆く日本のお坊さんからするとかなりうらやましい光景です。

そんなベトナムでも一時期若者の仏教離れが言われた時期があったそうです。では、どうして若者がお寺に関心を持つようになったのか。これはある在日ベトナム人の方に聞いた話ですが、お寺に若者をひきつけた原因のひとつに芸能メディアがあったそうです。ベトナムでは人気の歌手が仏教の要素が入った歌を歌うのだそうです。それをきっかけに若者が仏教に興味を持ちお寺に向かう。そうするとさらに歌が流行る…という好循環が起こったのだそうです。

確かに、永明寺で行うベトナムの法要では必ず歌が入ります。それは仏教讃歌などではなく、だれでもが耳にしたことがある流行り歌だそうです。しかし、そこには仏教的な考えがあり、多くの人の心をひきつけるのです。なので、私は「花まつり」もメディアの力を借りてはどうかと思っています。芸能界にも仏教に造詣の深い方はたくさんおられますし、またそうでなくても人気のアーティストさんにそれなりの報酬を払ってお願いをする方法もあります。そうやって仏教を知らない人たちを振り返らせるということが必要なのではないでしょうか。なぜなら、私達伝統教団の開祖方は「仏」とも「法」とも知らない人たちを振り向かせてきたのですから。そのコンテンツのひとつとして「花まつり」がいいと思っています。とりあえず小藪さんとかにプロデュースしてもらったりすると面白いかもです。小藪さんいかがですかね?

現在、日本にある仏教系寺院の数は文化庁によると約7万5千ヶ寺(宗教年間 平成29年版)。これとよく比較されるのが全国のコンビニエンスストアの数、約5万5千件(コンビニエンスストア統計調査月報2018年1月度)ですが、それと比べ2万件も多い数です。その上、往々にしてコンビニよりも大きな敷地と建物を持っています。現実と乖離していてあてにはならない数字ではありますが仏教系の信者数は約8千7百万人。それはそれは大きな勢力を持つ宗教です。しかしながら、これらは宗派によって細分化され、さらに各寺院が独立性を持ちお互いがつながりあうことなく存在しています。

コンビニであればPOSシステムなどによって、顧客の購買傾向を集約してビッグデータ化し、それを共有して効率的な経営を行っています。もちろん、経済活動が主体であるコンビニの真似をして効率的な経営を目指そうなんてことを言うつもりは微塵もありません。それをやり始めたら仏教は終わるくらいに思っています。しかし、いつも思うのはこの大きな勢力がしっかりとつながりあったら、日本を動かせるくらいの力は十分にあるのになぁということです。じゃあ日本を動かしてどうすると言われれば目的はないのですが、ひとつのムーブメントくらいは作れるのではないかと思います。そしてそのムーブメントが正しく力を発揮すれば、現在起こっている様々な問題の解決を仏教寺院が担うことができるのではないでしょうか。ムーブメントを起こすには、個別に行っていることがつながる必要があります。点が線となり面となっていかなければなりません。各寺院様が一生懸命に取り組まれていることがつながって、それがムーブメントになる。そして長く続けていけばいずれそれは文化と呼ばれるようになります。

流行れ「花まつり」、流行れ「仏教」!

◆永明寺 シャカフェス 2018

日 時 2018年3月31日(土)落語「柳亭燕路一座」10:00 開場  10:30 開演
ライブ「THE HEROES from SUPER FANTASY」13:30 OPEN 14:00 START
2018年4月1日(日)「第6回 お寺マルシェ」 10:00〜16:00
会 場 永明寺(えいみょうじ)
福岡県北九州市八幡東区川淵町3-23
お問合せ 浄土真宗本願寺派 永明寺 シャカフェス実行委員会(TEL:093-6510-6120)
料 金

チケット

落語「柳亭燕路一座」:1,500円(お茶・お菓子付き)
予約はコチラ>>https://goo.gl/LRQ8ZN
ライブ「THE HEROES from SUPER FANTASY」:前売り3,500円 / 当日4,000円
チケットはコチラ>>https://goo.gl/awnMC2
詳 細 永明寺Facebookページ  https://www.facebook.com/eimyouji.jp/

 

松崎智海

北九州にある浄土真宗本願寺派「永明寺」住職です。1975年生まれ。札幌龍谷学園高校に5年間、敬愛高校に9年間宗教科教員として勤めておりました。最近は老眼がひどくてつらいです(^^)