「地蔵オタクだらけのアイドル寺ライブ」を企画します!

(※この記事は、noteからの転載です。やけにテンションが高いことをおゆるしください。)

 

こんにちは。僧侶の稲田ズイキです。

実家の寺で副住職をしながら、大のアイドル好きの僕は、先日とあるアイデアを思いつきました。

「地蔵オタク(ライブ中に動かず静かに聞いている人)だけを寺に呼んで、静かにアイドルを拝むライブ」です。

アイドルで「沸く」のではなく、アイドルを「拝む」。今までありそうでなかったんです、これが。

このアイデアをツイートしたところ、1000人近い方がシェアを……。そして、なんと、アイドルの方々からも「ぜひやりたい」との声が……!

ここまで来たらやらない理由がない。ということで、まだ形は未定ですが、企画をスタートさせることにしました!!!!!

題して!

「地蔵オタクだらけのアイドル寺ライブ!」(仮)です!

 

寺にアイドルを呼びたい副住職 VS 慎重派の住職

なぜ今回のアイデアを思いついたのか、まず経緯を話させてください。

最近は、お寺でアイドルがライブすることも増えました。

例えば、きゃりーぱみゅぱみゅが寺でライブをしたり、中には“浄土系アイドル”「てら*ぱるむすをプロデュースして、アイドルを集めてライブを開催したりしてるお寺(お世話になっている龍岸寺さん)もあります。

「うちのお寺でもアイドルイベントやりてぇ…。」

僧侶としてあるまじき、煩悩の極みみたいな発言ですが、アイドルカルチャーを心の底から愛しているアイドルオタク僧侶として、どうしてもうちの寺でも開催したかったんです!

そこで、住職(父)に提案しました。

「俺はアイドルを寺に呼びたい。アイドルを寺に呼ぶのが夢なんだ。その夢が叶えば、俺はすべての煩悩が消え去り、悟りへと導かれる。絶対、徳の高い僧侶になれる。アイドル好きの檀家のおじさんたちも絶対喜ぶ。」

副住職、一生に一度の魂の咆哮。この世に存在するすべてのロジックをねじ込みました。住職(父)の回答は、

「アイドルオタクうるさそうだから、近所迷惑になりそうやん」

そうきたか、師よ。たしかにアイドルオタクはうるさい。そして、うちのお寺は、住宅街にポツンと位置する。こんな場所にドルオタが集まれば、近所の人から注意される可能性が高い。

ならば!

「寺で開催する静かなアイドルイベント」 これさえ企画することができれば住職のロジックを打ち破ることができる…!

そこで、思いついたのが「地蔵オタク」です。

地蔵(オタク用語)とは、ライブ中に声援もしない、振りコピもしない、ジャンプもしない、ただ呆然と立ち尽くす応援方法のこと。仁王立ちからピクリとも体を動かさず、アイドルを視線で追うことだけに全神経を注ぎ込むその姿が、“地蔵菩薩”像を彷彿とさせることから、その名で呼ばれることになりました。

地蔵のオタクばっかを寺に集めたら、ライブでうるさくならへんし最高やんけ……。

しかも、うちのお寺は年に1回だけ開帳する秘仏の「地蔵菩薩像(子安地蔵)」があるから、その日にライブ開催したら、地蔵菩薩と地蔵オタク、夢の共演やんけ……。

これが経緯のすべてです。

 

“地蔵”の問題点

ツイートしたところ、面白いという意見、地蔵オタクの方から「こんなイベントを待っていた!」みたいな意見がたくさんありました。

でもですね、致命的な問題があったのです。

「客が地蔵ばかりだとアイドルのメンタル死ぬ問題」です。

https://twitter.com/NAGURUandTERU/status/996755916748800000?tfw_site=note_PR&ref_src=twsrc%5Etfw&ref_url=https%3A%2F%2Fnote.mu%2F

自分の愚かさを恥じました。「寺でアイドルイベントをやりたい」その煩悩に心を奪われ、肝心のアイドルのみなさんの気持ちを忘れていたんです。

僧侶として、そしてアイドルオタクとして、大事な心を忘れてしまったゲスの極み坊主。

「THE END」

の文字が脳裏をよぎり始めた瞬間、まさに菩薩のようなアイドルが現れたのです……。

「アイドルの修行の場」

これだ!これだ!これだぁぁッァァァァッァ! さすが「仏像に一番近いアイドル」の野口実穂さん!

となれば、アイドルが修行をしているというのに、オタクが修行しないわけにはいかない。ならば!

地蔵ではない普通のオタクを寺に呼び、オタクも修行して地蔵になればいいのではないか?

つまり、「アイドルとオタクの修行ライブ」です!

アイドルは、無反応の地蔵を前に、少しでも沸かせようと全力でパフォーマンスをする修行。

オタクは、アイドルの全力のパフォーマンスを前に、沸きたい気持ちを抑えて地蔵を極める修行。

おいおい、Twitter最高かよ。皆がいろんな意見を出してくれたおかげで最高の企画になりそうやで……。(まだまだ改良の余地ありそうやけど)

オタクには、ライブの前に座禅とか、読経とかしてもらって、心を落ち着かせてもらったり。どうしても推しジャンしたいというオタクには、代わりに礼拝とかしてもらったら最高ですよね…。

そしてそして、嬉しいことに、アイドルの皆さんからも「燃える」「やりたい」との声が!

あと、知り合いのアイドルのプロデュース系の仕事してる人からも、一緒にやりましょうと声がかかっています。歓喜の舞、不可避。

ということで、まだどういう具体的にどういう企画になるか不明ですが、絶対開催するからお楽しみにしておいてください!

理想としては、京都の実家の寺と、東京の友達の寺、2箇所でできたらいいなーって感じです。

追って、Twitterで情報を発信していくので、「こんなアイドルいるよ!」とか、「こうすればもっと面白いんちゃうか?」とかご意見があれば、リプライとかDMでください!(→Twitter : andymizuki

(すでにかなりの数の人がご意見くださっていて、ありがとうございます!)

そして、彼岸寺さまからも「よければ開催までの経緯を載せてください」とのお声が……!嬉しい限りです。

ではでは、「地蔵オタクだらけのアイドル寺ライブ!」これから盛り上げていきますので、お楽しみに〜〜卍卍

(※転載元の記事 https://note.mu/indmzk/n/n73e510dd7ebb

 

【稲田ズイキがこれまでに書いた記事】

▶︎ 僧侶のラップバトルに檀家が沸く? お寺ミュージカル映画祭『テ・ラ・ランド』開催

▶︎ブッダの教えを学んだ人工知能が誕生したとき仏教の未来はどうなるか?

▶︎小藪さんのお釈迦さま’s B.D. FLOWER FESTIVAL!!に僧侶が行ってみた

僧侶。1992年京都の月仲山称名寺生まれで現・副住職(※家出中)。同志社大学を卒業、同大学院法学研究科を中退、その後デジタルエージェンシー企業インフォバーンに入社。2018年に独立し、寺に定住せず煩悩タップリな企画をやる「煩悩クリエイター」として活動中。集英社よみタイや幻冬舎plusでのコラム連載など、文筆業のかたわら、お寺ミュージカル映画祭「テ・ラ・ランド」や失恋浄化バー「失恋供養」、煩悩浄化トークイベント「煩悩ナイト」などリアルイベントを企画しています。フリースタイルな僧侶たちWeb編集長。