【映画】『遺影、夏空に近く』-見上げれば あなたと 暮らしている- 上映

これは「遺影写真」を巡るドキュメンタリー
切なくて、なんだか微笑ましい
亡き人と遺された人の物語

遺影写真-。

亡き人の写真を選んで、額縁に入れ、飾ってみる。しっくりくるのはやっぱり少し高い場所。
もちろん目の前に置かれる方もおられます。日本人なら誰しも馴染みの深い風習です。
この映画は「遺影写真」を巡るドキュメンタリー。

登場するのは7つの家族と個性豊かな「遺影写真」です。
職人気質の自転車屋さんが見せる笑顔。
靖国神社と共に収まる戦没者。
パステル画であったり、生前と違う髪型になってしまわれた方も。

見えてくるのは、切なくてなんだか微笑ましい、亡き人と遺された人の物語。大切な人と暮らす方、大切な人を失われた方、すべての人に観てほしい「想い」の詰まった作品です。

日本のふるさと「いかるがの里」
お坊さんの監督が描く
ひと夏の奈良の光景

季節は夏。
舞台となるのは奈良県「いかるがの里」。世界文化遺産法隆寺のある町です。
稲穂のむこうに建つ仏塔。
山里にかかる入道雲。
シャッターが多くなった商店街。
監督の横田丈実は、この町で暮らす「お坊さん」です。
膝をつき合わす人間関係と、ほっこりと流れる仏教的時間。
まちと人とが溶け合う「奈良の光景」も本作品の大きな魅力のひとつです。

映画制作によせてー
浄念寺住職 映像作家  横田丈実

私が初めて映画を製作したのは大学に在学中。映像ソフトは8ミリフィルムが全盛のころでした。直接フィルムを切っては繋げる編集作業。今のデジタル編集が当たり前の時代からすると、なんとも牧歌的な世界です。大学は龍谷大学。仏教学科にはそうそうたる教授陣がおられたのですが、私はどちらかと言うと授業よりも映画に熱中する日々でした。

あれから30年近い年月が経ちました。現在私は父の跡を継ぎ実家のお寺「浄念寺」の住職をさせて頂いております。そしてありがたいことに今でも映画の製作を続けることができています。

仏教は風呂敷のようにあらゆるテーマを包み込める教えですので、私の作った14本の作品もすべて仏教的と言えば仏教的となります。いや、一応僧侶として生活していますので、自然と作品の中に仏教的なるものが滲み出しているかもしれません。

今回は15本目の作品、ドキュメンタリーです。登場人物はすべてうちのお寺の檀家さん。こんなに本格的に檀家さんにカメラを向けたのは初めてのことです。

「カメラは暴力的なもの」ある評論家の言葉です。つまりカメラは向けられた人にある種の緊張感を強いるものであると。やんわりとした「お寺と檀家さんの関係」の中にカメラを持ち込むのは、こちらとしても胃がキリキリと痛むものでした。普段には無いなんだか新鮮な経験ではありましたが。

檀家さんはそれぞれのお家で「故人の思い出」をお持ちです。「亡き人と遺された人の物語」をお持ちです。私達僧侶はお参りの際などにその物語をお聞かせ頂くわけです。中には何度も何度も繰り返し同じ物語を話してくださる方もおられます。今回の作品は、その物語を遺影写真を通して綴ることにしました。

2015年6~9月の4ヶ月をかけて7つの家族を取材、遺影写真を巡る物語を記録。2年間かけての編集、音楽作りを経て、2017年の今夏に完成となりました。

「遺影写真」について今私が感じるのは、生前中の様々な写真の中からその一枚を選ぶ、その表情を選ぶと言うのは、亡き方が生前中に選ばれたにせよ、遺族の方が選ばれたにせよ、やはり大切な物語があるということ。

また我々この世で生き続けるものは「無常」刻一刻と変化するものですが、遺影写真も「無常」変化するものであるということ。同じ笑顔であっても、楽しそうな笑顔に見えたり、寂しそうな笑顔に見えたり、日々の暮らしの中で変化してゆくもの。共に暮らしているものであるということです。

タイトルは「遺影、夏空に近く」としました。亡き人は夏空の彼方に旅立ってゆくのではなく、私達のそばにいる。ただし肩を並べるそばではなく、あくまでも宗教的な、夏空に近い場所にいる、と言った思いを込めました。漠然としたこの思いを仏教の教理としてどう捉えるのか。まだまだ考えはまとまっておりませんが… …

作り手として、ひとりでも多くの方に作品を観ていただき、思いが交錯することを願っております。


●映画 『遺影、夏空に近く』

監督:横田丈実
撮影:横山健二
録音:横田敬子
音楽:島田篤
宣伝美術:林田全弘
web制作:サトリデザイン
出演:斑鳩町のみなさん
ドキュメンタリー/2017年/53分

●監督 横田丈実経歴
1966年奈良県斑鳩町に生まれる。龍谷大学文学部仏教学科卒業。
実家である融通念佛宗浄念寺で僧侶として暮らしつつ、映画製作を続けている。
「FISH BOX 魚箱」(1999)や「あかりの里」(2003)など作風は多岐にわたる。
2013年には死別の哀しみを真正面にすえて描いた「加奈子のこと」を発表。「遺影、夏空に近く」が15本目の作品となる。

●上映情報

上 映 日

会 場

所 在 地

2017/08/27(日)

1500

カフェ「らふぁえろ」

奈良市高畑町1055-1

2017/09/26(火)

1300

徳融寺

奈良市鳴川町25

2017/10/01(日)

上映1400

トークショー1500

應典院

大阪市天王寺区下寺町1-1-27

2017/11/14(火)

開始時刻900

超円寺

奈良県磯城郡川西町結崎99

2017/11/18(土)

未定

喫茶フィガロ

京都市左京区田中上大久保町13-2

ネオコーポ洛北1

2018/2/12(月祝)

未定

いかるがホール

奈良県生駒郡斑鳩町興留10-6-43

2018/03/22(木)

未定

法蔵寺

大阪市生野区巽南1-3-9


作品解説や上映スケジュールなど、
詳しくは映画「遺影、夏空に近く」公式サイトhttp://natsuzorani.com/ をご覧ください。

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