パソコンで戒名を決める僧侶、スマホに子守りさせる親

今ではもう最新とは言えませんが、現在はパソコンのソフトで戒名を考えることができます。使っている僧侶の方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか。ちなみに私は先代の住職が残してくれている戒名の本を4冊開きながら、故人の名前、生き様、仏教的な言葉などを考えながら、その人にふさわしい字を選んで決めています。

パソコンのソフトは実は私も持っています。それは会計管理や檀信徒名簿管理や各種書類製作などに便利なフォーマットがたくさん入っているソフトで、その中のひとつに戒名に関するものが入っていました。名前や職業、性格、趣味、功績などをたくさんの項目の中から選択していくと、ふさわしい戒名がいくつか出てきます。それを参考にして戒名を決めていく、という感じなんでしょう。本を見ていたほうがいろいろな字に触れることができるのが気に入っているので、実際に戒名を考えているときには一度も開いたことがないのですが。

 

私が参考にしている戒名の本をチラッとお見せすると、こんな感じです。

故人の性格から字を選んだり、名前の一字を使った字を選んだり、趣味や仕事に関する字を選んだり……そう、やっていることはパソコンのソフトとなんら変わりがないのです。それなのに、僧侶がパソコンソフトで戒名を決めていると言えば聞こえが悪くありませんか?どちらも故人の姿を思い浮かべながら字を探し、データバンクの中から提案された字の中から僧侶自身が決定するという点は同じなのに。見ているのはパソコンの画面か本か、それだけの違いなのに。

 

話は変わりますが、先日、2歳になったばかりの息子を連れて病院に行ってきました。待ち時間がとても長く、息子は待合室を走り回るわ、診察室のドアを片っ端から開けていこうとするわ、それを止めれば床に転がって叫ぶわ、息子をおとなしくさせておくのにたいへん苦労しました。

そうなってからようやく気付いたのが「あー、トーマスの本を持ってくれば良かった……」でした。機関車トーマスが大好きな息子はどんなに泣いているときでも、トーマスを見るとだいたいの場合、機嫌が良くなります。仕方がないので、私のスマートフォンでトーマスのキャラクター紹介のページを開いて見せました。すると、息子はよだれをダラダラと流しながら、順番に機関車たちを指さして喜んでいました。私たち親子はスマホ画面のトーマスのおかげで静かに順番を待つことができました。

そのときに思ったのが、

「これ、うちにあるトーマス図鑑を見せているのと同じじゃない?」

見ているツールが本かスマートフォンかというだけで、見ているものは同じです。なのに、子供にスマホを見せていると悪く言われるんですね。

たしかに健康被害もあると思います。でも、これからの時代、いろんなものが電子化されていくでしょうし、学校の教科書が紙ではなくなる時代もそう遠くないように思います。そのような中で、スマホだから良くないというのも時代遅れな考えなんじゃないかなと思うようになりました。

 

 

その後、私のスマートフォンのロック画面をトーマスに変えました。

困ったときにはこれを見せると息子はニコニコです。

 

 

 

 

話を戻しまして、僧侶がパソコンソフトで戒名を考える件についても、たくさんある字や仏教語の中から故人にふさわしい字を選ぶツールがパソコンになってもおかしいことはないんじゃないでしょうか。これからの時代はコンピューターとの共存が不可欠です。それは僧侶にとっても例外ではなく、僧侶の間でも「僧侶の仕事はAIロボットに代わられるのか」というような問題提起がなされていたりします。僧侶もうまく先進技術を使いながら、AIには真似できない部分「心」を大事にしていくことが必要だなぁと感じています。

 

もしよかったらわたしのブログも寄っていってください♪ 昨年の夏、テレビ電話を使ってお墓まいりをしたときの話です。

「テレビ電話で墓参り」4代目住職、尼僧です!

佐藤 妙尚

1982年8月生まれ。尼僧住職で三児の母。北海道の小さな村にあるお寺の一人娘として生を享け、27歳のときに先代住職である父を亡くし住職となる。住職と母親業、両立できているのか、いないのか。