彼岸と此岸 〜エイプリルフールによせて〜

エイプリルフールということで、彼岸寺として初めてトライしてみました。

短い間でしたが、「此岸寺」お楽しみいただけましたでしょうか。

さて、この「彼岸寺」の名前の由来となっている「彼岸」という言葉。これはもともとは「到彼岸」、つまり「彼の岸に到る」という言葉として使われるものでした。

さらに元をたどれば、サンスクリット語では「pāramitā」という言葉が語源と言われます。この言葉が中国で「波羅密多」あるいは「波羅蜜」という言葉に音訳されます。最高の状態、完成、完全、という意味を表す言葉だそうです。

さらに別の解釈では、「彼方に行く」というものもあるそうで、この2つの意味が合わさって、彼の岸、つまりは完全なる状態、さとりの世界へ行く、というように理解され、「到彼岸」という言葉として意訳されていきました。

対して「此岸」というのは、さとりの世界や仏さまのあり方に対する、私たちの世界、私のあり方をさす言葉です。それは、虚仮なるもの、とも言われます。まさにエイプリルフールのような世界を、私たちは今生きている、ということなのかもしれません。

そしてそのことに気づかせ、真実の世界、さとりの岸辺を目指さしめるのが、仏教ということになるのでしょう。

そんなことを考えていきますと、「彼岸寺」という名前には、誰もが仏教に出会い、みんなで手を取り合って、共にさとりの世界を目指していきたい、そんな願いが込められているのかもしれないなと、改めて気付かされました。

彼岸寺初のエイプリルフール、温かい眼差しで冗談に付き合っていただいた皆さま、そして「いいね」を押してくださった皆さま、本当にありがとうございました。

今後とも、彼岸寺をよろしくお願いいたします。

日下 賢裕

不思議なご縁で彼岸寺の代表を務めています。念仏推しのお坊さんです。