わかりにくかった日本仏教が、わかりやすく書いてある二冊!アップデートして仏教3.0を始めよう!

今話題の『アップデートする仏教』、皆さんもうお読みになられましたか? 未来の住職塾 二期生(名古屋クラス)の飯田正範さんがレビューしてくださいました。山下良道師の『青空としてのわたし』も合わせて読むとより一層理解が深まるとのことです。

「テーラワーダ」「マインドフルネス」「仏教3.0」など重要なキーワードが目白押しです。瞑想しても何かもうひとつ掴みきれなかった人、「青空」になってみませんか?


「わかりにくかった日本仏教が、わかりやすく書いてある二冊」

「仏教3.0」は『アップデートする仏教』で生まれ、『青空としてのわたし』で語られる。広大無限な仏教をバージョン1.0〜3.0というように大胆にくくることで、著者二人の活動の意味や日本内外での仏教の風景が面白いくらいに浮かび上がる!

今回ご紹介するこの二冊は僕(あなた)の仏教理解と仏教体験を整理するための本です。つまり、僕(あなた)のために書かれた本であります。二冊合わせての読破を目指してください。

まずは『アップデートする仏教』です。藤田老師と山下老師の経歴を確かめながら、目指すところが同じことを確認している本です。藤田老師が山下老師の世界観を引き出しています。

欧米の仏教が急激に進歩しているのに、なぜ日本の仏教だけが旧態依然としているのか。ともに日本の禅宗(曹洞宗)からスタートして、アメリカで仏教を教えた二人。その後、藤田はアメリカに留まり、山下は東南アジアやチベットで仏教を学んだ。三十年にわたり修行を実践し深めてきた二人のカリスマ僧侶が、日本の仏教を根底から更新する。「形骸化した仏教」(仏教1.0)と「方法・テクニックとしての仏教」(仏教2.0)の現在からの、ラジカルな「本来の仏教」(仏教3.0)へ―。(『アップデートする仏教』の裏表紙より)

現状の日本仏教を「形骸化した仏教」と感じている人に、この本はジャストミートすることでしょう。また、現状の日本仏教の中で「本来の仏教」をすでに感じ取れている人には、確認の書となるでしょう。そして、一番読んでほしい方々は、方法・テクニックの仏教で行き詰まりを感じている人々です。ポイントとして「誰が瞑想するのか?」このことしか言っていない。と言っても過言ではない。どちらにせよ、是非とも読んでいただきたい本です。

「仏教3.0」と定義付けた「本来の仏教」のポイントは「わたしとは青空である」です。このことを、「青空と雲」の比喩を使うことにより仏教用語に明るくない人でも、雰囲気をつかむことができるのではないでしょうか? 「雲としてのわたし」では本当の救いはない。この本を読了後は断言できます。乞うご期待!

もう一冊は『青空としてのわたし』です。日本仏教のアップデートのための核となる概念=「青空としてのわたし」が、仏教初心者の方々にも響くように限りなく仏教用語を使わずに丁寧に説明されています。仏教1.0、仏教2.0についても、それぞれ丁寧に解説してあります。それぞれを批判している箇所もありますが、批判だけにとどまらずそれをどうしてゆくことが今後必要か、が建設的に語られている箇所に注目していただきたいです。

「仏教2.0→仏教1.0≒仏教3.0」というのが僕の今の見解です。「青空としてのわたし」をロジカルに理解することにより、現状の日本仏教各宗派教義(仏教1.0)が綺麗に見えてきます。アップデートはお早めに。なまんだぶなまんだぶ。

寄稿:飯田正範
1973年 名古屋生まれ。真宗大谷派 瑞因寺住職(1999年より)

名古屋工業大学卒業、某ゼネコンに就職。
翌年、先代が往生。同朋大学別科卒業。
未来の住職塾 二期生(名古屋クラス)

現在、アップトゥデートしながら「なまんだぶなまんだぶ」を伝道している。

 

1977年、奈良県天理市・善福寺の次男として誕生。ソニーを退職後、2007年に僧侶となる。2015年、善福寺第33世に晋山し、和文のお経をオススメ。2014年から、おてらおやつクラブ事務局長を務め、お寺の社会福祉活動にコミット。1男2女1猫の子育てに励む。趣味はランニングと奈良マラソン。音痴と滑舌が課題。